米インテル、38年ぶり通期赤字 AI向け半導体で出遅れ響く

赤字をイメージした写真

半導体業界の盟主だった米インテルが苦境に陥っている。

30日に発表した2024年12月期決算の純損益は、38年ぶりとみられる通期赤字に転落した。

人工知能(AI)向け半導体は米エヌビディアに、他社の半導体製造を請け負うファウンドリー事業は台湾TSMCに歯が立たない。

大規模リストラやトップ辞任を経てもなお、立て直しの道筋は見えない。

インテルは1968年、半導体の集積度は2年で倍増し、コンピューターの性能は指数関数的に向上するとした「ムーアの法則」で知られるゴードン・ムーアらによって設立。

米マイクロソフトのパソコンにはインテルの半導体が必ず入っているとされ、2010年代前半ごろまではCPU(中央演算処理装置)市場で100%近いシェアを誇っていた。

だが、24年通期の決算で純損益が188億ドル(約2.9兆円)の赤字に転落した。

10~12月期は1億2600万ドル(約195億円)の赤字(前年同期は26億6900万ドルの黒字)だった。

赤字幅は縮小したものの、4四半期連続の赤字となった。

低迷の背景には、AI向け半導体への出遅れがある。

エヌビディアは10年以上前からAIの可能性に目をつけ、現在はデータセンター向けAI半導体でシェア約8割と独走。

収益の高かったパソコンでの成功体験があだとなり、AI需要の大半を囲い込まれたインテルは、追い上げに苦労している。

スマホ向け半導体にも乗り遅れた。

参照元:Yahoo!ニュース