トランプ氏の「WHO脱退」、世界への影響は 中国が支援継続を約束
「米国は5億ドルを支払った。これを終わりにする」
トランプ米大統領は就任初日の20日、世界保健機関(WHO)から脱退する大統領令に署名。
世界中の健康危機に対応する国連機関の機能を巡り、懸念の声が上がっている。
また、同機関がプログラムを行う上での資金力を疑問視する声もある。
WHO最大の拠出国最大の懸念は、米国がWHO最大の拠出国であることだ。
拠出額は全体の約18%を占める。
2024ー25年の2年間の予算は68億ドル(約1兆0574億円)だった。
WHOのデータによると、米国は同期間、エイズウイルス(HIV)や他の性感染症の治療プログラムにかかる資金の75%を提供していた。
また、結核と闘うための資金についても半分以上を拠出。
結核は現在、感染症としては世界で最も多い死者を出している。
ガザやウクライナなどでの健康危機のため、WHOが資金集めに苦しむ中での脱退となった。
次に感染症のパンデミックが発生した場合に備えて世界的な連携をはかるためにWHOが主導するパンデミック条約の合意にも、トランプ氏は懐疑的だ。
トランプ氏の盟友で実業家のイーロン・マスク氏は、各国はWHOに「権限を譲り渡す」べきではないと主張している。
大統領令を受けて、米国はパンデミック条約に関する交渉を中止することになる。
米国はまた、国連の世界インフルエンザ監視ネットワークにも参加している。
WHOは米国を含め世界中の人々の健康を守る重要な役割を果たしているとしている。
WHO広報担当官「脱退の結果について述べるのは時期尚早だ。実際の影響を調査する必要がある。必要な資金の獲得についても、努力を続けるつもりだ」
欧州連合(EU)はトランプ氏の決定に懸念を示したうえで、全てのWHO加盟国に対し、現在直面する財政難に対応するよう呼びかけた。
中国外務省は、世界の健康を巡るWHOの役割は強化されるべきだとして中国政府の支援継続を約束した。
参照元∶Yahoo!ニュース