「心臓がバクバクして体も震えた」ネットやSNSで相次ぐ誹謗中傷 “脅迫” 受けた被害女性が語るつらい苦悩 掲示板で“殺害予告”や“性的暴行”を示唆 被害はどこに相談すれば? 

SNSの情報をチェックしている人

元兵庫県議の死亡をめぐり、インターネットやSNSに投稿する内容や誹謗中傷が議論になっている。

ネットの掲示板で、殺害予告などの誹謗中傷を受けた広島県内在住の女性が、取材に応じた。

「びっくりしたっていうのが一番素直な気持ちと、どうして私が…?」

今回話を聞いたのは広島県尾道市に住む50代の女性。

女性は地元の魅力や食を自身のブログで発信していた。

インターネット上の掲示板で誹謗中傷が始まったのは2023年1月…。

次第に内容がエスカレートし名指しされ殺害予告などの脅迫を受けたという。

実際の投稿内容”布団で巻いて、アンカーを付けて、備後灘に放り出せ!”

ほかにも女性に性的暴行を加えることを示唆する内容もあった。

投稿者に心当たりはなく1人か複数人の書き込みかも分からなかった。

被害女性(50代)「心臓がバクバクしてしまってちょっと体もガタガタ震えたりして、何でこんなことが自分の身に起こっているんだろうという気持ちですね。本気度もわからないじゃないですか。家を出るのも怖い、チャイムが鳴ってドア開けるまでも怖い」

夜も眠れず、1人で外出することもできなくなくなった。

それでも泣き寝入りはしたくないと弁護士に相談し、多数ある投稿から特に悪質な6件についてプロバイダーに情報開示を請求…。

およそ半年後に投稿者の住所や名前などを特定し、刑事告訴した。

被害女性(50代)「悔しいじゃないですか。なんでこんな人(加害者)のために自分がつらく悲しい思いをして…。私が声を上げることで刑事罰が下って前科者になってしまうんだっていうことを、そんなに深く考えずに(誹謗中傷を)書き込んでる人たちに伝えたい」

「時間とお金がこれほどかかるとは…」

掲示板に残ったままの悪質な投稿刑事告訴したあと、加害者側から示談の申し入れがあった。

投稿の理由を求めるも、納得のいく回答が得られなかったことや反省を感じることができず、刑事告訴を続けたという。

警察などによりますと加害者の男性は脅迫の容疑で書類送検され、10万円の罰金刑が科されたという。

被害女性(50代)「愕然しましたね(量刑が)軽くて」情報開示や刑事告訴などの弁護費用として、女性はすでに100万円を超える負担を強いられている。

掲示板には、ニュースの放送では伝えることが出来ないような言葉遣いをした文言がたくさん並んでいた。

刑事告訴された6件の投稿は今も、掲示板に残ったままだ。

これらを削除するには、さらに時間や費用がかかる場合がある。

被害女性(50代)「時間やお金はこれほどかかるとは思っていなかったです。手元に資金がないから、訴えたいけれど訴えられない人はたくさんいると思う」

今後、女性は民事裁判を起こして加害者側に動機の説明を求めることにしている。

被害女性(50代)「どうしてこういうことをしたかっていう動機も私には全く知らされていないので、そこもちゃんと聞きたい」

最初の被害が始まっておよそ2年…。

被害女性は「刑罰が下ったから100%解決したわけではない。もしかしたら逆恨みをされているかもしれない、そう思うと外を歩く恐怖は今も全然変わらない」と語る。

広島県警サイバー犯罪対策課には名誉棄損や誹謗中傷、脅迫に関する相談が2024年までの3年間で、毎年300件以上寄せられているという。

もしも被害にあってしまった場合には様々な機関の相談口がある。

投稿の削除要請など相談をしたい場合なら、「誹謗中傷ホットライン」(セーファーインターネット協会)、「違法・有害情報相談センター」(総務省)、「人権相談」0570-003-110(法務省)がある。

一方、身の危険を感じる場合や加害者を処罰してほしい場合は、すみやかに最寄りの警察署へ、賠償などを求めたい場合は、弁護士や法テラスに相談することができる。

さらに、誹謗中傷により不安や悩みを抱えて困っている方は下記に電話、メール、チャット、 SNSなど、様々な方法による相談が可能だ。

「まもろうよ こころ」(厚生労働省)#いのちSOS 0120‐061‐338、#よりそいホットライン 0120‐279‐338(※岩手・宮城・福島は0120‐279‐226)中国放送

参照元∶Yahoo!ニュース