「惚れてまうやろー!」の流行で葛藤も 芸人・チャンカワイ 年間200本以上を巡る「ロケ芸人」としての現在

お笑い芸人をイメージした写真

年間約250本ものロケに出向き、今や確固たるロケ芸人の地位を築いたチャンカワイさん。

テレビロケをとおして視聴者に伝えたいこととは?

── 最近はロケのお仕事が多い印象です。

チャンさん:実は以前はロケのお仕事がそこまで多かったわけではないのですが、増えたきっかけはコロナ禍。

コロナがピークのころはロケに行くのにPCR検査の陰性証明が必ず必要だったのですが、僕は検査をかなりマメに行っていました。

そこまでマメに検査をする芸人さんが多くなかったのか、そこからロケのお仕事がグッと増えましたね。

それまでのロケの経験で培ってきた、レポート力やフットワークの軽さも評価してもらえたのだと思います。

── ロケのお仕事をするときに、心がけていることはありますか?

チャンさん:いい意味で「自分を持たないこと」でしょうか。

僕がロケをするときのスタンスは、対「視聴者」ではなく、あくまでも対「ディレクター」。

ディレクターがどのような絵を撮って、視聴者に届けたいかということをいちばんに考え、期待に応えることが重要だと思っています。

そうすると自然に、自分のことは主張しすぎないというスタイルになるんだと思います。

あとはオープニングで大ボケはしないこと!最初にボケすぎてしまうと、その後のロケでなにを言っても説得力にかけるんですよね。

伝えていることに信頼性を持たせるためにも、オープニングでは小ボケまでにしています。

── ロケ以外では演技のお仕事もされていますね。

チャンさん:はじめて演技の仕事をしたのは、2012年に公開された映画『ロボジー』でした。

オーディションに合格したのですが演技については新人で、まわりはベテランばかり。

どうしたらいいかわからず緊張していたら、吉高由里子さんや濱田岳さんのようなベテランの方たちが、僕のセリフの練習につき合ってくれて。

本当にみなさん優しくて、吉高さんなんて自分の役じゃないセリフまで演じてくれました。

その映画の撮影で感じたのが、映画は、俳優部や演出部や撮影部など分かれていて、それぞれのプロフェッショナルが集まって作品に挑んでいくものであり、俳優のみなさんが監督やスタッフが撮りたい絵のために、一生懸命演技をしているということ。

どこの現場でも必ずそういうわけではないのかもしれませんが、俳優が100%自己主張するというよりは、考えながら演じているという印象でした。

この考え方は、今の僕のロケに対する姿勢にもつながっているかもしれませんね。

── 新しいお仕事に踏み出すのは、いろいろと大変なんですね。

チャンさん:現在、TBSで放映しているバラエティ番組『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』でやっている、検証企画もほかにはない仕事ですね。

これまで「鮭のみを食べ続けると体重はどう変化するのか」の検証や、「ラーメンをチャーシューから食べたら太らないのか」の検証などがありましたが、この企画のやりがいは、自分が検証したことが人のためになるところ。

番組を観た後に視聴者も挑戦してくれたり、SNSで「#チャンありがとう」と発信して感謝してくれる人もいます。

以前に「ラーメンはチャーシューから食べれば太らないのか」という検証をしたときは、知り合いのアーティスト経由で、さだまさしさんがそれを実践していて「ありがとう」と言っていると聞いて。

すごくうれしかったですね。

検証を通して、テレビの力で演者、制作者、視聴者がつながることができ、感謝だけが積み上がっていく。

このようなひとつの文化というか流れを作れたことは、僕にとっても誇りですね。

── 今後、挑戦してみたいお仕事はありますか?

チャンさん:たくさんの人に、もっとテレビの力を信用してもらえるように頑張るのが目標。

そのために、テレビでみんながいろいろなことを学べるような内容を、発信したいと思っています。

旅番組で僕が好きな神社や神様のことを紹介するなど知識的なことはもちろん、たとえば僕が「走ることってこんなに気持ちいいんだ!」と体験することで、僕と同じような体型の人が「自分も走れるかもしれない」と思ってくれるかもしれない。

バンジージャンプやファイヤーダンスのレポートをすることで、「チャンもやってるし、自分もやれるかな」と、新たな視野が広がる人がいるかもしれません。

そういうふうに誰かの学びのきっかけになるようなことを、ジャンルを問わず発信できたらと思います。

参照元∶Yahoo!ニュース