ゲーツ前議員、17歳少女などの買春や違法薬物に数万ドル 下院倫理委報告書
米下院倫理委員会は23日、共和党のマット・ゲーツ前下院議員を巡る報告書を公表し、ゲーツ氏が女性買春や薬物に計数万ドルを支払っていた証拠を突き止めたと明らかにした。
支払いの回数は少なくとも20回に上り、2017年には当時17歳の少女との性行為に金銭を払ったという。
下院倫理委員会は報告書で、ゲーツ氏がレイプ法を含む複数の州法に違反したことを結論づけた。
共和党主導の同委員会は今回、議員辞職した元議員に関する報告書を公表するという異例の措置に踏み切っていた。
調査担当者は「下院倫理委はゲーツ下院議員が買春や法定レイプ、違法薬物の使用、許容されない贈答、特別な便宜や特権、議会妨害を禁じる下院規則その他の行動基準に違反したことを示す実質的な証拠が存在すると判断した」と記している。
報告書によると、下院倫理委員会はゲーツ氏が議員在任中、十人以上の女性に対して送金サービス「ペイパル」や「ベンモ」などを使って個人的に行った取引について調査した。
同委員会はまた、ゲーツ氏が2018年のバハマ旅行の際に複数の女性と「性交渉を持った」点にも着目。
女性の一人はこの旅行自体、買春が目的だったと証言した。
旅行に参加した女性が同委員会に証言したところによると、ゲーツ氏が旅行中に合成麻薬「エクスタシー」を摂取する場面もあったという。
下院倫理委員会は当初、報告書の公表に反対する投票を行ったものの、その後の非公開投票で公表を決めた。
報告書公表を決めた投票は、ゲーツ氏の疑惑を巡る長年の調査の集大成となった。
ゲーツ氏はトランプ次期米大統領から司法長官候補の一番手に指名されたものの、CNNが今回の倫理報告書で鍵となる詳細を報じ、共和党の上院議員から反対の声が出る中で指名を辞退していた。
ゲーツ氏はトランプ氏の長年の「忠臣」で、現在は「ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク」で保守派の司会者を務める人物。
連邦議会の委員会がそのゲーツ氏に狙いを定めたことで、今後何年にもわたり影響が出る可能性がある。
ゲーツ氏は23日午前、連邦裁判所に報告書公表の差し止めを求める民事訴訟を提起。
報告書を公表するという委員会の方針について通知を受けておらず、報告書の写しも提供されていないことから、報告書や調査の結論に反論する機会が与えられなかったと主張した。
参照元∶CNN.co.jp