米モンデリーズ、ハーシーの買収を検討
英チョコレートメーカーのキャドバリーを抱える米食品大手モンデリーズ・インターナショナルが、米大手チョコレートメーカーのハーシーの買収を検討していると米ブルームバーグ・ニュースが関係者の話として報じた。
モンデリーズが、両社が経営統合する可能性について予備的な打診をしたと報じた。
時価総額が約350億ドルのハーシーの株価は、9日の取引時間中に最大で前日より19%上昇して208.03ドルを付けた。
一方、時価総額が約840億ドルのモンデリーズは午前中の取引で約4%下げた。
モンデリーズ、ハーシーはともにコメントを差し控えた。
モンデリーズは2016年にも約230億ドルでハーシーを買収すると提案したものの、ハーシー側が拒否して頓挫していた。
チョコレートや食品のメーカーは、カカオ価格をはじめとするコスト上昇に直面して値上げを余儀なくされている。
ハーシーが今年11月発表した24年第3・四半期決算は売上高が30億ドル弱に落ち込み、同時に24年通期の売上高と利益の予想を下方修正した。
これに対し、モンデリーズの第3・四半期決算の売上高は前年同期より2%弱近く増えて約92億ドルとなった。
米菓子大手マースは8月、同業ケラノバを約360億ドルで買収すると発表した。
これで菓子の「M&M」や「スニッカーズ」、「ポップタルト」、ポテトチップス「プリングルズ」などのブランドが統合されることになった。
米アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「トランプ次期政権が企業の合従連衡を却下することはないと経営陣が確信を深めるのに伴い、このような発表が増えるだろう」と述べた。
ハーシーはチョコレートや「リース・ピーナツバターカップ」、モンデリーズは「キャドバリー」や「ミルカ」ブランドのチョコレートやクッキー「オレオ」を抱えている。
市場調査会社スタティスタによると、22年の米チョコレート市場でハーシーは約36%と最大のシェアを占めた。
参照元:REUTERS(ロイター)