「速報値でも迅速に対応」熊本・南関町の最終処分場2施設の監視井戸から有機フッ素化合物を検出 速報値で指針値4倍のPFOS・PFOAも

飲水をイメージした写真

木村熊本県知事は11月27日の定例会見で、玉名郡南関町にある2つの最終処分場の井戸から、国の指針値を超える有機フッ素化合物が検出されたと明らかにした。

熊本県は、周辺の住民に飲み水としての井戸水の使用を控えるよう呼びかけている。

木村敬熊本県知事は「南関町の2施設の井戸で、国の定める基準値でリッター50ナノグラムを超えることが確認された」と明らかにした。

熊本県によると、南関町にある産業廃棄物の最終処分場の井戸から、速報値として国の指針値を超える有機フッ素化合物PFOS・PFOAが検出されたということだ。

熊本県は10月から県内19の産業廃棄物の最終処分場(熊本市除く)に設置した監視井戸の水質を調査。

南関町にある『エコアくまもと』内の3カ所の監視井戸と、肥猪地区の民間処分場の監視井戸、計4カ所から国の指針値を超えるPFOS・PFOAが検出されたという。

このうち、『エコアくまもと』の下流側の監視井戸からは、4カ所の中で最も高い指針値の4倍の1リットル当たり200ナノグラムの有機フッ素化合物が速報値で検出された。

一方で、『エコアくまもと』の上流の井戸からも指針値を超える有機フッ素化合物が検出されていることや、施設での漏水は確認されていないことなどから、熊本県は「最終処分施設が原因ではないことを確認した」としている。

熊本県は指針値を超えた井戸から半径500メートル圏内に住む住民に、飲み水としての井戸水の使用を控えるよう呼び掛けるとともに、原因究明に向けて調査を行うことにしている。

地下水への関心が高まる熊本県民PFOS・PFOAは半導体の製造や泡消火剤などとして使われてきたが、分解されにくく体内に蓄積しやすい性質があり、発がん性などが指摘されていることから、すでに製造・使用が規制されている。

熊本県内では半導体産業の集積が相次ぎ、県民の地下水への関心が高まっていることから、熊本県は今年度から独自で有機フッ素化合物の調査を実施していて、木村知事は「今後も速報値でも、迅速に対応したい」と話した。

参照元∶Yahoo!ニュース