近づく年末年始の感染症「トリプルデミック」 感染対策のガードを上げよう

現在、インフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマが流行している。

インフルエンザと新型コロナは年末年始に向けて増加局面に入り、マイコプラズマは過去最多水準で推移している。

3つの感染症が流行する「トリプルデミック」到来が懸念されている。

感染者数が増加傾向定点医療機関あたりのインフルエンザ・新型コロナの感染者数は、それぞれ4.86人、2.42人といずれも流行入りとなっており、いずれも増加傾向だ。

特にインフルエンザは、この水準を超えてくると、例外なくその後流行にいたっている。

インフルエンザは毎年年末年始に流行を迎える。

特に、2023年末2024年始のシーズンは、新型コロナが5類感染症に移行してから初めての冬であり、多くの感染者を出した。

コロナ禍において、一人ひとりの感染対策がしっかり行われ、インフルエンザが長期間押さえ込まれてきた反動が大きかったのだろう。

新型コロナは年2回の流行がみられ、現在６か月ごとに流行のピークが到来している。

以上をふまえると、昨シーズンと同様に、インフルエンザと新型コロナはふたたび年末年始に同時流行を迎えることが予想される。

また、マイコプラズマ肺炎も過去最多水準で流行している。

こちらは肺炎にいたった患者数がカウントされているが、風邪や気管支炎どまりで咳などの症状がある人も、水面下に相当数いると思われる。

疑わしい場合は同時に検査「どのようにして病原微生物を見分けるのですか？」と聞かれることが多いが、特にインフルエンザと新型コロナの2つは症状だけで判別することは困難だ。

そのため、高熱があって病院を受診した場合、鼻からスワブを入れて、インフルエンザと新型コロナを2種類同時に検査するのが主流だ。

咳が強いといった症状や流行地域によっては、マイコプラズマの検査も同時に行うことがある。

すすまない新型コロナワクチン接種外来では、インフルエンザワクチンを接種希望者が多い。

しかし、新型コロナワクチンについては、高齢者以外は定期接種の対象者ではなく、約1万5,000円の自己負担が発生することから、接種希望者は少ない。

2つのワクチンは、同じ日に接種が可能なのですが、医療機関の納入の都合などによって、同時に接種が難しい場合もある。

なお、マイコプラズマにはワクチンはありません。対症療法に用いる薬が不足咳やのどの痛みに対する薬剤が不足している。

これは「感染症が流行していること」が原因というよりも、ジェネリック医薬品の薬価が引き下げられ、メーカーが軒並み撤退していることが尾を引いている印象だ。

インフルエンザや新型コロナに対する抗ウイルス薬、マイコプラズマに対する抗菌薬に関しては、現在大きな流通懸念はない。

感染対策のガードを上げるありとあらゆる感染症が流行しているので、感染対策のガードを上げよう。

手洗いやうがいなどの一般的な感染対策に加えて、換気や湿度も管理しよう。

今シーズンの流行は、受験時期と重なる地域も多いと思う。

なお一層、注意してほしい。

参照元∶Yahoo!ニュース