写真加工、やりすぎてしまうワケ 脳が自分の顔を特別視?

アプリを操作する人

顔写真を好きなように修正できる顔加工アプリ。

どの程度加工すると一番魅力的に見えるのか?

自分の顔と他人の顔では感じ方が異なることが分かった。

「自分が望ましいと思う加工と他者が望ましいと思う加工のレベルには少し違いがある。他者の顔についてはあまり加工を加えない方が魅力的と答えるのに対し、自分には『より強い加工』を加えた方が魅力的に見えることが分かった」

人間の脳が自分や他人の顔をどう認識するのか研究しているのは、大阪大学大学院の中野珠実教授。

アプリで加工レベルを変えた顔写真を並べて、「どの写真を最も魅力的と感じるか?」調査したところ、自分の顔では加工レベルが平均4.25、他人の顔では平均3.53となり、自分の顔写真の方がより加工したものを好むことが分かった。

「自分の顔が美加工でより魅力的になると、脳内報酬系のドーパミンという報酬系の神経伝達物質が強く働くために『より強い報酬』を期待してどんどん依存が生まれてしまう」(中野教授)

他人の顔写真を見た時は「魅力的に感じる」と答えても、ドーパミンは反応しなかったという。

実際、顔写真の加工について街の人たちに話を聞いてみると、「1日に1回は使っている」「可愛くなりたいから、盛りたいから、現実逃避」「私ビフォアフありますよ。加工したやつがこれ。加工アプリで撮ったのをまた追い加工している」(3人組の女性)  と、「盛る」ことを楽しむ一方で、他人の写真の加工については、「やりすぎた感もあるし、顔もうあごないじゃんみたいなのがあるかも。でも自分の(写真の)場合はその人よりかはやってないかな」「自分が満足してやってるから、自分はかわいいと思える。でも(他の人の加工は)自分の価値観と違うからかわいいと思えないんだと思う」(女性) 「すごい顔になっていたり、顔がめっちゃ三角だったりとかあるので、逆に怖いってことに気付いてないのかな?って思う」(男性) と答えたように、やはり自分の顔の加工と他人の加工の印象には乖離があるようだ。

参照元:Yahoo!ニュース