自民派閥「偽装解散」指摘も 政治団体、事務所が存続

政治家の写真

自民党内で、「解消宣言」したはずの派閥が形式上、存続し続けている。

政治団体の届け出は取り下げられず、事務所も残ったまま。

各派は、政治資金の処理作業などを理由に挙げるが、与野党から「偽装解散だ」との声が出ている。

18日昼、麻生派が東京都内の事務所で開いた「例会」。

居並ぶ所属議員を前にあいさつした麻生太郎副総裁は衆院3補欠選挙に触れ、「経験、実行力を伴うのは自民党をおいてほかにない」と奮起を促した。

裏金事件の発覚前、党内6派では毎週木曜日、同様の光景が見られた。

しかし、安倍、岸田、二階、森山各派が相次ぎ「解散」を表明。

17日に茂木派も追随し、残りは麻生派のみとなった。

もっとも、実際に派閥が姿を消したとは言いがたい。

派閥を構成する要件の一つは、政治資金規正法に基づく「その他の政治団体」の届け出。

「解散」を打ち出した5派は、いずれもこれを取り下げていない。

裏金事件で多くの処分者を出した安倍派は「弁護士費用の精算などで作業が長引く可能性もある」(関係者)と説明。

岸田派も事務所閉鎖や届け出取り下げの準備を進めているという。

二階派は、元幹部が当選回数ごとの懇親会を開催。

二階俊博元幹事長は「人は自然に集まる。自然体でやる」と語っている。

一方、茂木派は「政策集団」として活動を続ける方針を示しており、茂木敏充幹事長は「集まり、結束は大切にしたい」と強調。

18日は若手を中心に昼食会を開いた。

岸田文雄首相の党総裁任期は9月まで。

来るべき総裁選を見据え、従来の枠組みを維持して影響力を温存したいという、各派有力者の本音も透ける。

野党側は、国会審議で「口だけで『解散します』と言っても駄目だ」(立憲民主党の辻元清美氏)と批判。

自民党の閣僚経験者も「現状はどう見ても『やるやる詐欺』だ」と断じた。 

参照元∶Yahoo!ニュース