ステランティス、タバレスCEOが退任 米事業不振の中
欧米自動車大手ステランティスは1日、カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が同日付で退任すると発表した。
同社は9月末に通年の業績見通しを下方修正し、株価は年初来約40%下落している。
シニア独立取締役のアンリ・デ・カストリーズ氏は声明でタバレス氏の決定について、ここ数週間に主要株主と取締役会、CEOの間で異なる見解が浮上した結果だとした。
タバレス氏は2024年の業績見通し下方修正後、批判にさらされていた。
同見通しでは、収益の柱である北米の販売不振や在庫拡大などを要因として、最大100億ユーロ(106億ドル)のキャッシュバーン(現金流出)を見込んだ。
ステランティスはその後、タバレス氏が26年初めの契約終了時に退任すると発表していた。
後任探しは既に始まっており、来年前半に決定するという。
それまでジョン・エルカン会長をトップとする暫定執行委員会を立ち上げる。
タバレス氏はフィアット・クライスラーと仏PSAの統合によってステランティスが誕生した21年初めからCEOを務めてきた。
同社はジープやフィアット、プジョーなど14ブランドを傘下に持ち、タバレス氏は業績不振のブランドを削減する可能性があると警告していた。
同氏のこうした姿勢は米国の労働組合や、イタリア国内の生産削減に不満を抱く同国政府などとの対立を招いてきた。
参照元∶REUTERS(ロイター)