分別ルール違反のごみ袋を開封調査 氏名公表へ 条例に賛否両論、法的問題は?

分別ルール違反のごみ袋に対する福島市の条例改正案が話題となっている。
これまでは違反シールを貼って回収しないだけだったが、効果が乏しかったため、1週間程度たっても是正されなければ開封調査で誰のごみか特定して改善指導や勧告を行い、これに従わない悪質な違反者がいれば氏名や事業者名の公表まで行うというものだ。
賛否両論あるようだ。
こうした措置を巡る法的問題について、理解の参考となる記事をまとめた。
「新たな規定の導入で市民や事業者に排出ルールの徹底を促し、ごみの減量やリサイクルの推進を図りたい考え」「罰則は設けない」
「ごみの中身の調査はプライバシーの侵害との指摘も」「市は個人情報の保護に努めると強調するが、市民から『やりすぎでは』との声も」
「『ごみは、捨てた時点で所有権を放棄しているものだから勝手に見たっていいじゃないか』という理屈は通用しない」
「現時点ではこの自治体によるゴミ袋の開封調査が、憲法違反であるとの判断はされていない状況です」
ごみの種類ごとに収集日や時間、分別方法などが決まっているのにルールを守らずに好き勝手に捨てたり、マンションや地域住民専用のごみ集積所にそれ以外の者が無断でごみを捨てたりした場合、不法投棄として廃棄物処理法違反にあたる。
しかし、最高で懲役5年、罰金でも1千万円以下と刑罰が重いので、立件例はもっぱら悪質業者による山林などでの大量の投棄事件であり、今回のようなルール違反に適用されることはまずない。
一方で、どの自治体もそうしたごみへの対応に苦慮しているし、放置すれば真面目に分別している人が不公平感を抱くことにもなる。
そこで、一部自治体ではすでに開封調査が導入されており、福島市も福島県で初となる来年3月の施行を目指しているわけだ。
実現した場合、開封調査や氏名公表の手続を職員らが厳守するなど、プライバシー保護に十分配慮した運用が求められる。
それとともに、改めて地域で分別ルールの周知徹底をはかった上で、住民以外の者が勝手に捨てるケースなどにも対応できるように、違反が多いごみ集積所への監視カメラの設置なども検討されてしかるべきだろう。
参照元:Yahoo!ニュース