素人インフルエンサーを先発起用、アルゼンチンサッカー1部で物議
アルゼンチンのサッカークラブが、1部リーグの試合でプロ経験のないインフルエンサーを先発に起用し、国内のサッカー界の怒りを買っている。
物議を醸しているのは今季から10年ぶりに1部復帰を果たしたデポルティーボ・リエストラ。
リエストラは11日に行われた首位ベレス・サルスフィエルド戦で、ソーシャルメディアで約1500万人のフォロワーを誇る配信者のスプリーン(Spreen)さん(24)を先発メンバーに入れた。
スプリーンさんはボールに触らず、開始から78秒で交代した。
スプリーンさんが先発メンバーに名を連ねたことを伝えるリエストラのX(旧ツイッター)の投稿は、これまでに340万の閲覧数を記録している。
リエストラに対してはアルゼンチンのサッカー関係者から非難の声が上がっている。
現役時代にMFとしてアルゼンチン代表やマンチェスター・ユナイテッドで活躍し、現在はアルゼンチン1部のエストゥディアンテス・デ・ラ・プラタで会長を務めるファン・セバスチャン・ベロン氏は「サッカーとサッカー選手に対する敬意が全く欠けている」と激しく非難。
ベレスのFWブライアン・ロメロも「サッカーに対する敬意が欠如している」と口をそろえ、社会やサッカー選手を目指す子どもたちに「悪いメッセージ」を与えたと指摘した。
リエストラの主将ミルトン・セリスは、スプリーンさんについて「彼はクラブの友人で、契約もしている。楽しませてあげればいいじゃないか。誰だって1部でプレーしたいだろう」とコメントしたが、「批判は理解している」とも話し、「自分たち(選手)の責任ではない。(クラブの)オーナー陣の問題だ」と付け加えた。
リエストラは声明で「ベレスやアルゼンチンのサッカーを侮辱するような意図は決してなかった」と釈明し、ベレス側には試合の1週間前に今回の起用を伝えていたと強調。
「新規層をサッカー界に呼び込んだり、別の世界やプレットフォームとの架け橋になったりすることが目的だったと主張した。アルゼンチンサッカー協会(AFA)は、「アルゼンチンサッカーの誠実な評判を傷つける可能性のある行為」だとして、協会の倫理委員会に調査を求めている。
参照元∶Yahoo!ニュース