米GDP、第3四半期速報値2.8%増 個人消費が堅調
米商務省が30日に発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.8%増だった。
インフレ低下と力強い賃金上昇が個人消費をけん引し、堅調な成長ペースを維持した。
ロイターがまとめた市場予想は3.0%増。
第2・四半期は3.0%増だった。
米連邦準備理事会(FRB)はインフレを伴わない成長率を1.8%程度と見なしている。
FRBが物価の目安として注目する、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)価格指数は2.2%上昇。
第2・四半期の2.8%上昇から大幅に伸びが鈍化した。
経済の3分の2以上を占める個人消費は3.7%増。
2021年第1・四半期以来の高い伸びとなった。
第2・四半期は2.8%増だった。
消費は、株価の上昇と住宅価格の上昇による家計純資産の増加に加え、労働市場の回復力にも支えられている。
市場予想をやや下回ったのは、企業が旺盛な需要を満たすために輸入を増やす一方で在庫の積み増しを減らし、貿易赤字が拡大したことを反映している。
米商務省が30日に発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.8%増だった。
設備投資は11.1%増と、2023年第2・四半期以来の急成長となった。
航空機部門がけん引した。
ソフトウェアへの投資は鈍化した。
企業在庫は602億ドル増に鈍化。
第2・四半期は717億ドル増だった。
GDP成長率を0.17%ポイント押し下げた。
FHNファイナンシャルの主任エコノミスト、クリス・ロー氏は「堅調なGDP成長は、力強い消費と設備投資に支えられており、インフレ率は2%に向かって再び低下している」と評価した。
RSMの主任エコノミスト、ジョー・ブルスエラス氏も「経済は好調で、大きな外的ショックや国内政策の誤りがない限り、好調な状態で年を終える態勢が整っている」と述べた。
商務省は、9月に米南東部を襲ったハリケーン「へリーン」がGDPに与えた全体的な影響を推定することはできないとしながらも、住宅などの固定資産の被害はGDPや個人所得に直接影響を及ぼさなかったとした。
へリーンによる民間所有の固定資産の損失は390億ドル、州および地方政府所有の固定資産の損失は20億ドルと推定している。
参照元:REUTERS(ロイター)