暑さによる高齢者死亡、90年代比で2.6倍超 食料不足も悪化

熱中症をイメージした写真

世界保健機関(WHO)など国際研究チームは30日に公表した報告書で、化石燃料排出による気候変動で気温が危険な水準まで上昇しており、干ばつ被害や食料安全保障も悪化していると警告した。

「ランセット・カウントダウン」の年次報告書によると、特に脆弱なのは高齢者で、昨年は熱中症による65歳以上の死者数が1990年代に比べ2.67倍に増加した。

気候変動がない場合の推定は1.65倍だった。

研究チームのエグゼクティブディレクター、マリーナ・ベレン・ロマネロ氏は「暑さは死亡率や死者数の増加だけでなく、病気の増加や暑さに関連する病態の増加にもつながる」と指摘。

例えば、屋外で活動する人はますます危険にさらされ、企業は屋外労働が制限されつつある。

報告書によると、昨年は猛暑により世界で推定5120億時間もの潜在的労働力が失われたという。

また、食料安全保障も不安定化していると警告。

昨年は世界各地の最大48%が厳しい干ばつに見舞われ、食料不足に陥った人が1981─2010年の平均に比べ1億5100万人余り増えたとした。

参照元:REUTERS(ロイター)