台湾は「捨て石」にされる可能性、トランプ氏発言巡り中国報道官

中国とアメリカの関係性をイメージした写真

中国政府は30日、米政府が常に「米国第1主義」政策を進めてきたことを考慮すると、米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利した場合、同氏は台湾を「見捨てる」可能性があるとの見方を示唆した。

トランプ氏は選挙戦で、台湾が防衛費を払うべきだと述べたり、台湾が米国の半導体ビジネスを盗んだと主張したりしている。

中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は定例会見で、トランプ氏が今月、中国が「台湾に侵攻」すれば大規模な追加関税を課すと述べたことや、台湾は防衛費を払うべきと発言したことについて問われ、台湾の人々は米国の政策を明確に理解していると指摘。

「米国が台湾を守ろうとしているのか、それとも害を与えようとしているのか、台湾の同胞の多くは既に合理的な判断を下し、米国が追求するのは常に米国第一主義だと非常に明確に理解していると思う」と述べた。

また「台湾がいつでも駒から捨て石になる可能性がある」ことを現地の人々は知っていると述べた。

トランプ氏の名前には直接言及しなかった。

台湾の郭智輝・経済部長(経済相)は米国で選挙戦が展開されているとして、朱氏の発言に対するコメントを控え、「米国の民主的な選挙が成功することを祈る」と述べるにとどめた。

米政府は25日、台湾への20億ドル規模の武器売却を承認したと発表。

中国は反発し、「対抗措置」を講じる方針を示した。

朱報道官は「(台湾の)頼清徳政権に対し、武器を購入しても安全は買えないと厳しく警告する」と述べた。

参照元:REUTERS(ロイター)