子どもに人気のクロックス、禁止校則が増加 安全性と注意散漫が理由

クロックスを履いている人を撮影した画像

カジュアルシューズのクロックスは子どもやティーンエージャーの間で、ポップスターのジャスティン・ビーバー並みの人気を博している。

素早く楽に履いてすぐ学校に行ける手軽さが受け、製造元クロックスは時価総額80億ドル(約1兆2300億円)企業に成長した。

しかしこれを禁止する校則が増えている。

理由は安全性の問題と子どもの注意散漫だ。

「足のけがと聞くとすぐさま『クロックスを履いていたに違いない』という反応が返ってくる」と話すのは、ニューヨーク州の学校に務める看護士オズワルド・ルチアーノさん。

子ども2人の父親でもあるルチアーノさんは、州内で働く看護士同氏のチャットについて述べた。

安全性という点で、これを禁止する校則には賛成だという。

クロックスを履いての登校を禁止した学校は少なくとも12州にわたり、その数は数十校に上る。

かかとの後ろに安全のためのストラップがついておらず、つまずいて転倒しやすいことが理由だ。

事故や注意散漫につながるケースが増えたと指摘する学校もある。

クロックスに付いたチャーム(飾り)で遊ぶ子や、クラスメートに靴を投げる子もいるという。

ジョージア州アトランタ郊外の小学校レイク・シティー・エレメンタリーでは「安全のため、すべての生徒はつま先がカバーされている靴を履かなくてはならない(クロックスは禁止)」と制服に関する校則に記されている。

フロリダ州ラベルの中学校ラベル・ミドル・スクールは服装規定で「常に安全な靴を履くこと」としており、具体的には「クロックスを禁止する」と記している。

クロックス・ブランドのアン・メールマン社長兼執行副社長は、同社では「禁止が増えていることを示す有意なデータ」は認識されていないと述べた。

パイパー・サンドラーが年2回実施する調査によると、クロックスはティーンエージャーに人気の靴ランキングで10位内に入っている。

2010年代には売り上げが低迷していたが、ジャスティン・ビーバーやポスト・マローンとのタイアップが奏功した。

2018年からの株価上昇率は、S&P500種株価指数の3倍を超えている。

ニューヨーク州ヨンカーズの薬剤師ショプハン・ジョシュアさんは最近、10歳の娘にスリップオンタイプのスニーカーを買った。

休み時間中にクロックを履いてはいけないと、校則が最近改定されたという。

ジョシュアさんの娘はクロックスがエスカレーターに挟まったために転倒し、すねに8針を縫うけがをした。

クロックスは校則による禁止措置に「当惑している」とし、一部の学校で禁止されていても「毎日履ける靴」であることに変わりはないとコメントした。

参照元:Yahoo!ニュース