脅迫でワクチン接種中止に「偽医者!」口コミにも批判殺到「安定診療守れない」反レプリコン“日本看護倫理学会”がX投稿全削除

医療機関でワクチンを接種している人

新型コロナウイルスのワクチンを巡り、ある医療機関では誹謗(ひぼう)中傷が殺到。

ワクチン接種を中止せざるを得ない事態に陥っていた。

誹謗中傷を受けた医療機関:(ネット上に)偽医者と書いてある。何十年も医師を続けているが、偽医者と言われたのは初めて。

騒動の発端は、10月から定期接種がスタートしたばかりのレプリコンワクチン。

ウイルスのたんぱく質であるメッセンジャーRNAを体内で増幅させるため、従来より比較的長い効果を期待できるという。

世界に先駆けて、日本で初めて認可されたレプリコンワクチン。

接種者の入店を拒否する店が現れるなど、混乱が広がっていた。

レプリコンワクチン接種の予約を受け付けていた医療機関では、「偽医者」「すぐにワクチンの接種をやめろ」などと誹謗中傷や脅迫の電話が相次いだという。

誹謗中傷の電話は1日10件ほどにも及び、深夜1時にかかってきたこともあったという。

誹謗中傷を受けた医療機関:偽医者という言葉以上にひどい辛辣(しんらつ)な言葉がたくさん並び、(口コミサイトで)低評価の1が瞬く間に短時間に次々つく。スタッフや家族が見て心を痛めている。

さらに、ワクチン中止を求めるチラシも投函(とうかん)。

その中には、“絶対に打っちゃだめ!打つと周りの大切な人を傷つけちゃうの!”と書かれていた。

スタッフだけでなく患者の身の危険すらも感じたため、この医療機関は、レプリコンワクチンの接種を中止せざるを得なかった。

誹謗中傷を受けた医療機関:安定した診療を守ることができない。命がけでワクチンを打つ判断には、私の中にはならない。

ワクチンに反対する人々による医療機関への止まらない誹謗中傷。

その根拠となっていたとされるのは、日本看護倫理学会が2024年8月に出した安全性を懸念する声明だ。

レプリコンワクチンを製造する「Meiji Seika ファルマ」は10月9日、この声明について、「事実誤認及び科学的知見に基づかない」と反論。

批判を繰り返す団体を名誉毀損で提訴する意向を示した。

そして11日、日本看護倫理学会のSNSを見てみると全て投稿が削除されていた。

投稿を削除した理由について、日本看護倫理学会に問い合わせたものの返答は得られていない。

ワクチンに反対する人の動きは他にも。

東京・世田谷区のクリニックに抗議の電話をしたという埼玉・所沢市の市議は、SNSで、「私個人の都合でお電話を差し上げた結果、診療の妨げとなり多くの患者さまにも影響を及ぼしてしまったことを深く反省しております」と謝罪した。

接種者の入店禁止を表明していた都内にある美容院は「正直、こっちにも訴訟が及ぶのではないかと焦っている」と話し、今後、入店禁止の措置を解除するかもしれないという。

ワクチン騒動の波紋は、広がるばかりだ。

参照元:Yahoo!ニュース