多額の生活保護支給漏れか 重度障害の子2人抱えたシングルマザーに計600万円超 女性側は『行政は間違え得だ』と不服審査請求へ

生活保護をイメージした写真

重度障害の子が2人いて、生活保護を受けている堺市の女性が、多額の支給漏れがあったとして、すべてさかのぼっての支給などを求めて、行政不服審査請求をすることがわかった。

女性側は「行政側はミスを犯しても何の不利益も生じない、いわば『間違え得』だ」と主張している。

10日午後、会見を行った代理人によると、ミスがあったのは大阪府堺市の2つの区だ。

2007年から生活保護を利用してきた、ひとり親の女性は、障害のある子を持つ他の親と話して、自身の世帯の加算が少ないのではないかと疑問を持ち、ケースワーカーに伝えたのがきっかけだった。

その結果漏れていたという額は、

①在宅の重度障害者に算定する「家族介護料」がなく、額は、ひとりの子に対して月12200円×約17年で約246万円 ・もう一人の子に対して月12000円×約5年で約77万円

②子が施設入所してから「障害者加算」が削除され、額は月22000円×約11年で約299万円

支給が漏れた生活保護費は、17年で総額約625万円に及ぶということで、堺市は直近5年分の約212万円を追加で支給した。

それより前は時効が適用されるとして、申請を却下したという。

女性側は、すべてさかのぼっての支給に加えて、遅延損害金の支払いも求めて、行政不服審査請求をするという。

女性は、「最低限度以下の生活を、多感な時期に子供たちに強いてきた事を申し訳なく、悔しさが拭えないです。」などとコメントしている。

堺市の見解だ。

「家族介護料」については、当時「日常すべてに介護が必要」という国の通知に基づいた判断だったとしました。

市は申し出を受けて、「加算を認めないとした当時の判断は厳しかったと思う。」とし、追加支給したということだ。

そして新たに堺市は今回の件を受けて、「食事・排泄・入浴の介助を行っている場合は『日常全て』とみなす」とする統一の判断基準を決定して通知した。

その結果、支給対象と考えられる家が52世帯あることが新たに判明したという。

市はこうした世帯の状況を詳しく調べるという。

参照元:Yahoo!ニュース