『涙』の斎藤知事 「告発者が亡くなったことへの後悔の涙か?」と問われ「今の思いは、自民党と維新の議員に対して」と知事

記者会見に臨む人

兵庫県の斎藤元彦知事は、11日午後に行なわれた会見で、3年前の知事選で支援を受けた自民党議員からも辞職を求められることについて記者から問われ、涙を流した。

また、記者から「その涙は亡くなった元県民局長への後悔の涙か?」と質問された際には「自民党の議員と維新の皆様に対して」と答えた。

Q.3年前は自民党内で色んな意見があり、11名が支援した。12日の辞職申し入れはその方もメンバーにいるが?

【兵庫県・斎藤元彦知事】「申し訳ないという思いですね。3年前に会派を割って、重い決断で、当時石川先生、内藤先生、あとは若手も含めて重い決断を頂いたと思います。今の百条委の委員長をやられている奥谷先生もそうですが、先生方の重い決断の中で私に対して出馬要請をして頂いた」

「そこで私も『一緒にやりましょう』ということで決断しました。それで、知事選挙に勝たして頂いて、知事に就任してこれまで一緒にやってきたというところです」

「それで私としては自分がやれる政策とか、公務を先生方のアドバイスとかも、もちろん十分受け止められなかったところもあるかもしれないが、当時『一緒にやっていこう』と。議会が終わるたびに会派の控室も行きましたけど、そこで『がんばれよ』という風に当時も言って頂いていましたんで、そこは、大変申し訳ないなと」

「こういう状況になったということは、申し訳ないなという思いで、自分自身に対して悔しい思いであります。でも、先生方もですね、心から今も感謝はしていますので、本当に申し訳ないという思いでいます」

「感情が出てしまって申し訳ないです。決して完璧な人間ではないので、色んな間違いがあったかと思いますけど、自分自身はですね、これからも一生懸命、あくまでも県民の皆さんのためにやっていきたいという思いでいますので」

「県民の皆さんからも色んなご指摘を頂いています。『がんばれ』っていうご指摘もありますけど、『何やってんだ』っていうご指摘もあると思います」

「それは私自身がまだまだ力不足なところがありますので、それでもやっぱり未来の兵庫のために、頑張っていきたいという思いは、今でも強く持っていますので」

「ぜひ、そこをご理解いただけるように、これからも自分として頑張っていきたいという思いです」

Q.県議会の議員86人全員が辞職を要求し、それに応じなかったら不信任決議案を出されることもあると思うが、可決された時は、どう対応する?

「これから議会の方が(不信任決議案を)出されるとすれば大変重い決断だと思います。それは、私は法律に基づいて、それに対してどういう判断をするかというのを考えていくということですね」

Q.支援してもらった自民と維新の県議の期待に応えられなかった悔し涙?

【兵庫県・斎藤元彦知事】「申し訳ないという思いですかね。期待に応えられなかったということよりも、結果的にその方々からも、そういった申し入れを受けるという状況になってしまったことについて、自分の力不足を強く思ったということです。ただ、県政をしっかりやっていきたいという思いは私自身も強く持っています」

Q.片山前副知事が辞任を決めた際の会見で涙されていました。問題の対応へのまずさや、元県民局長が亡くなられたことへの後悔や悔しさは今の涙にはこもっていなかったのか?

「今の思いは自民党の先生方とのこれまでの経緯とか、維新の会の皆様に対してのこれまでの経緯というところに対してのご説明でしたね」

関係者によると最大会派の自民党は「辞職を求める知事に今更、質問する必要はあるのか」として議会初日の19日に不信任決議案を提出する方向でほかの会派と調整を進めていて、19日に補正予算を可決させた後、その日のうちに不信任決議案を提出・採決する想定だという。

これまでに全議員が辞職の申し入れを表明しているため、不信任決議案は可決する可能性が高いと考えられる。

斎藤知事は、不信任決議案が可決された場合、「法律に基づき判断する」と述べ、「辞職」もしくは「解散」を選択するかについて明言を避けている。

過去に都道府県の知事で不信任決議が可決されたのは「脱ダム宣言」などで議会と対立した長野県の田中康夫元知事など4人。

不信任決議案が可決された場合、知事は辞職か議会の解散を選ぶことになるが、総務省によると、議会の解散を選んだ人は誰もいないという。

参照元:Yahoo!ニュース