急激な円高進行の公算小さい 野村アセットマネジメントCIO

円相場の変動をイメージした写真

野村アセットマネジメントの最高投資責任者(CIO)、村尾祐一氏は5日、円が今後さらに急激に上昇する公算は小さいとの見方を示した。

足元の円高は日本企業の利益の伸びの減速を示唆する。

円は7月に38年ぶりの安値に沈んで以来、10%超上昇。

足元では1ドル=144円前後で推移しており、日経平均株価を構成する多くの大手輸出企業に打撃を与えている。

村尾氏は、ドル円相場が160円だったときに企業利益の伸びが2桁になると予想する人もいたが、「現在の為替レートの水準を前提にすれば、期待されていた2 桁成長は5─6%成長に戻る可能性が高い」と指摘。

大幅な円高が進む可能性は低いとし「今後6─12カ月は135─140円の範囲が妥当だろう」と述べた。

日米金利差については、足元の5%から近いうちに大幅に縮小する公算は小さいとし、「少なくとも来年中盤までは4%超の水準とみている」と指摘。

8月初旬までの急激な円高・株安を引き起こした円キャリートレードの巻き戻しについては、「歴史的に見て(米国と日本の)金利差が4%以上であればキャリートレードは意味がある」との考えを示した。

参照元∶REUTERS(ロイター)