保護司の報酬制導入見送りへ改革、大幅に後退 29日に最終報告書案提示
保護司制度の見直しを議論してきた法務省の有識者検討会の最終報告書案で、焦点となってきた「報酬制」の導入が見送られることが26日、検討会関係者への取材で分かった。
活動内容を限定する「分担制」の導入も見送られることが判明。
法務省が当初目指していた制度改革が大幅に後退する見通しとなった。
最終報告書案は29日に開かれる検討会で示される。
保護司は、非行少年や保護観察付きの執行猶予判決を下された人、刑務所からの仮釈放者らとの定期的な面会や地域での啓発活動を通して更生を助ける非常勤の国家公務員で、報酬はない。
検討会では、高齢化が進む保護司制度の持続性確保のため、報酬制や、面会と啓発活動の担当を分ける分担制の導入が議題に挙げられていた。
だが、両制度の導入に現役保護司の委員らが反発。
3月の中間とりまとめでは分担制の導入を見送る方針が決まり、報酬制も「引き続き検討」との表現にとどめられた。
「報酬」の名称を使わずに支給を確保する案も出ていたが、導入に前向きな議論は広がらなかった。
6月の検討会では、報酬を伴わない保護司の無償性が保護司の「自発的な善意を象徴する」と最終報告書に明記する方向で議論が進められた。
一方、保護司活動に伴う実費が十分に支給されず、保護司の「持ち出し」が生じている問題については、実費弁償金の充実を図るよう提言。
5月に保護司が保護観察対象者に殺害される事件が発生したことを受け、保護司の安全対策も盛り込まれる見込み。
検討会は9月に最終報告書を取りまとめ、10月にも法相に提出する。
参照元∶Yahoo!ニュース