アーチェリーの重定選手がパリ・パラリンピック辞退 東京大会選考中のライバル中傷で賠償命令

パラリンピックのアーチェリー選手をイメージした写真

日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会(JPC)は23日、アーチェリー女子の重定知佳選手(41=林テレンプ)が28日に開幕するパリ・パラリンピックの日本代表を辞退したと発表した。

辞退に伴う選手の交代はなく、日本選手団は選手175人、競技パートナー19人、競技スタッフ107人、本部スタッフ29人の計330人となる。

重定選手はブログへの投稿で中傷されたとして同競技の小野寺朝子さん(48)から損害賠償を求められ、今月6日に東京地裁から約124万円の支払いを命じられた。

重定選手は判決を不服として20日に控訴した。

JPCは9日、日本身体障害者アーチェリー連盟に対し、重定選手の日本代表派遣推薦に関する有効性を再確認するように指示。

同連盟は13日に臨時理事会を開き、代表選考手続きの有効性を再確認したが、JPCは改めて事実確認及び審議を行った結果、重定選手の行為は「国際総合競技大会派遣規程に違反する可能性がある」と判断。

調査パネルを設置し、重定選手に対して21日に弁明の機会を与えたが、22日に辞退の申し出があったため、受理したという。

東京地裁の判決によると、重定選手は東京大会の代表選考が行われていた2021年1月、同じく代表を目指していた小野寺さんのブログのコメント欄に匿名で「代表入りも無理なの気づきませんか?悪あがきもほどほどに」「ルール違反してない?」などと書き込んだ。

19年の日本身体障害者アーチェリー連盟の公認記録ランキングで、小野寺さんは重定選手に次ぐ2位。

東京五輪に出場した重定選手は女子リカーブ個人で7位だった。

小野寺さんは出場していない。

大久保紘季裁判官は判決理由で、投稿内容は「全くの虚偽」と指摘し、小野寺さんの成績に対して嘲笑的に言及するなど悪質性が高いと判断。

「身に覚えのない投稿を立て続けにされた上、投稿者がライバルであると知った精神的苦痛は相当だ」と述べた。

小野寺さん側の発信者情報開示請求で、重定選手による投稿と発覚した。

参照元∶Yahoo!ニュース