「米不足」で 弁当店の「大盛り無料」ピンチ コメ大幅値上げの可能性 需要増加も収穫量は全国最低 米卸会社の倉庫を訪ねると 「もしかしたら足りなくなる可能性」

米の農地を撮影した写真

お米の価格が大幅に上がる可能性が浮上している。

鳥取県では今後、新米の時期に向けてコメの価格が大幅に上がる可能性もあり、予断を許さない状況だという。

「もしかしたら足りなくなる可能性」境港市内のお弁当屋さん「ママクック」。

海岸通りに面し、船の乗組員やトラックの運転手などから人気の高いこのお店では、朝早くから予約が入り、たくさんのお弁当が準備されている。

人気の理由のひとつは、店舗まで直接取りに来ることで、大盛りが無料になること。

ただ、このサービスにピンチが訪れている。

ママクックを経営する酒井商店 酒井英 代表「今のところは順調にコメは入っております。来年度になりますと、こういう天気ですので多分、量が少ないと思いますので、コメ全体の値段は上がると思います。でもその場合は、弁当の値段もそれに付随して上がっていきますので、やっぱり大盛りというサービスは続けていきたいと思っております。」

農林水産省は、主食用のコメの需要が2024年6月末までの1年間で702万トンと、10年ぶりに前年を上回ったと発表した。

背景には、コロナ明けのインバウンド客増加などによって、外食産業を中心に需要が増加しているためだという。

一方で、この需要増加や昨年の猛暑によるコメの品質低下の影響で、民間の在庫は前年から21%減り、156万トンと過去最低水準となっている。

特に鳥取県では、平均を100とするコメの収穫量を示す作況指数で、去年が95となり新潟県と並び全国でワースト1位となった。

収穫量は減少しましたが、例年通りの需要が続き、結果的に例年より早いペースで、在庫が無くなっているという。

米子市内の米卸の会社。

例年より倉庫には空きが目立つといいます。

みずほ米穀 古徳幹男 代表取締役「例年に比べて、普段ですと9月を過ぎても玄米は余るんですけども、今年はもうギリギリで無くなるか、もしかしたら足りなくなる可能性もあります。」

こちらでは、取引先のコメは何とか確保していますが、新規の要望にはまったく応えられない状況だといい、今年度の新米が市場に出るまでは耐えるしかない厳しい状況だという。

ただ、その新米についても値上げの可能性があるという。

みずほ米穀 古徳幹男 代表取締役「価格の方は近年にないくらい上がると思います。あと量に関してもいろいろと手当をしないとなかなか(確保が)難しい状況になってくると思います。競争が激しいので…」

今後の対策についてJAとっとり西部は、9月に出す作付け計画で作付面積を増やし、生産の安定を図り、収穫量の増加につなげたいという。

参照元∶Yahoo!ニュース