民生委員の居住要件を緩和、担い手不足解消へ元住民や在勤者も選任
地域福祉を支える民生委員の担い手不足の解消に向け、厚生労働省は選任要件を緩和する方針を固めた。
現在は、その市区町村の住民に限られているが、特例的に在勤者や近隣に転居した元住民の選任を認める方向だ。
2024年度中に有識者検討会で結論を得て、必要な法改正を行う。
民生委員は、安否確認のため高齢者宅を訪問したり、住民の相談に乗って支援機関につないだりする。
独居高齢者が増える中、活動の重要性は高まっている。
一方、担い手は不足している。
定数24万547人に対し、23年3月時点で、全国で1万3121人の欠員が生じている。
定数は市区町村ごとに決まっており、東京23区では220~440世帯に1人が目安だ。
民生委員を引き受けるのは60歳以上が中心だが、高齢期に働く人が多くなり、頼んでも断られるケースが増えている。
民生委員が不在の地域では見守り活動が行き届かない恐れがある。
選任要件について、民生委員法は、市区町村議選の選挙権がある人と定めている。
18歳以上の日本国民で、その地域に続けて3か月以上、住んでいる人だ。
厚労省の検討案では、社会貢献に力を入れる企業の社員や商店の従業員、マンションの管理人など地域の実情に詳しい在勤者や、近隣の自治体に転居後も地域とつながりのある元住民を選任できるようにする。
厚労省は、全国民生委員児童委員連合会などの意見を踏まえ、要件緩和の範囲や条件を決める方針だ。
参照元:Yahoo!ニュース