中学生の部活動、朝練は必要? 睡眠不足や疲れが心配

部活動で朝練をしている学生

山口県岩国市の40代主婦からの相談です。

 「中学1年生になった子どもが部活動を始め、毎日30分ほど朝練があります。子どもは『給食までにおなかがすいてしんどい』と言っているし、睡眠不足や疲れが心配です。冬は薄暗い時間に登校するため、防犯面や寒さも気になります。学校の他の部でも朝練があるようですが、授業に集中できないのではないでしょうか。中学生の朝練が必要かどうか皆さんの意見を聞いてみたいです。他の中学校の様子も教えてもらえませんか」

※以下に他の方からの意見を掲載

朝練があると、規則正しい生活ができて自然と早寝早起きが身に付きますよ。長男は陸上部で朝6時には起きていましたが、高校2年になった今でも習慣になっています。顧問の先生からは授業も積極的に受けていたと聞きました。次男が小学生なのですが、地元の中学校は朝練がなくなりました。今もある地域がうらやましいです。(広島県廿日市市・会社員男性・46歳)

娘の吹奏楽部は今年から夕方の練習時間が半分くらいになりました。だから朝練で少しでも多く練習してうまく演奏できるようになりたいそうです。早起きは親も大変ですが、楽しみに出かける姿は応援したくなります。ちなみに娘の学校は、放課後まで補食を食べてはいけない決まり。もっと柔軟に対応してほしいです。(広島県府中町・契約社員女性・42歳)

中学時代は大人になる前の心と体の基礎をつくる大事な時期です。私は自由参加だったバスケットボール部の朝練にほぼ毎回参加していました。我慢強くなったのも身長が伸びたのも朝練のおかげかも。声をかけ合い頑張ったチームメートは生涯の友人です。子どもの成長に期待してみてはいかがですか。(廿日市市・団体職員男性・40歳)

子どもの気持ちをサポートしましょう。おなかはすいているけれど、本人は行きたいかもしれませんよ。学校のルールは時代で変わります。子どもを通じてでも参観の機会にでも先生に相談してみては。入学してすぐは心配ですよね。でも半年もすれば学校生活に慣れますよ。(広島市中区・会社員女性・51歳)

私はバスケ部でしたが、朝練は大嫌いでした。家が遠くてしんどいし、朝から汗をかくのも嫌で。気持ちが入らないから朝練効果はあまりなかったです。個人練習や筋トレだけなら、昼休みにもできると思います。(西区・理容師女性・45歳)

私の勤務先の広島県北部にある中学校では数年前になくなり、楽になりました。部活自体を好きな教員は多いですが、朝練は長時間労働が問題になっている現状では負担が大きいです。朝の30分程度だと効果的な練習をするには不十分です。早起きの習慣など規則正しい生活を送るのが目的なら家庭でもできますよ。(安佐北区・教諭女性・55歳)

■広島文化学園大人間健康学部(広島県坂町)・松田広教授(65)=スポーツ教育学

部活動には、学習意欲を高めたり、責任感・連帯感を養ったり、人間関係や生活習慣をつくり上げたり、さまざまな効果が期待されます。ただ、中学生は心身ともに成長の途中です。食事、休養、睡眠のバランスは大人以上に配慮しなければなりません。

国のガイドラインでは、部活は「週当たり2日以上の休養日を設ける」「1日の活動時間は、長くとも平日は2時間程度、休業日は3時間程度」としています。その上で、各校が「文武両道」などの目標や活動内容を決めています。

朝練が必要かどうかではなく、よりよい部活動にするには、という視点で考えてほしいと思います。部活の目的や生徒の悩みを擦り合わせていけば、課題が見えてきます。保護者が1人で学校側に向き合うより、保護者会として課題の解決に取り組むのがお勧めです。先生、子ども、保護者のみんなで話し合って進めてはどうでしょう。

現場の先生に聞くと、授業中眠そうだったり、おなかをすかせたりする生徒はいるそうです。でも本人たちが主体性を持って取り組み、保護者も納得した上で実施すれば、総合的にはメリットは大きいですよ。

参照元:Yahoo!ニュース