恋愛や結婚より、地下アイドルを応援する日本や中国の若者が求める救い

2023年ごろから中国で、ちょっとした「地下アイドル」ブームが起きているらしい。
何より、日本のアイドルを思わせる衣装で日本語で歌を歌う点だけではなく、それを応援するファンとの関係性やその行動様式もまた日本のそれと瓜二つである点が興味深い。
リンク記事の動画を参照すると、まるで映像が日本で撮影されたものかと思うほどそっくりである。
こうした現象を、日中共に深刻な若者の婚姻減やその背景にある「先の見えない若者の不安感」などと合わせて社会的に考察してみたい。
「推し活」のひとつとしてみなされるが、元々は秋元康氏がプロデュースした「会いに行けるアイドル」というコンセプトが原型である。
昭和時代もアイドルを応援するファンは存在したが、秋元氏は、それまで「一対多」だったアイドルとファンの関係性を握手会やチェキ撮影などで一瞬でも「一対一」の関係性に作り変えた。
それにより、アイドル側に認識される自分という役割をファンが得られることになる。
だから、公演に行くだけではなくCDや物販を大量購入することで「一対一」の役割を買うという行動を作り出した。
こうしたファンの大部分は独身である。
アイドルの推し活を「疑似恋愛」と評する識者もいるが、そうではないだろう。
それより「そのアイドルを応援することで自己の社会的役割を実感している」のではないか。
むしろ「疑似子育て」に近い。
自分の子の成長や成功のためにはお金も時間も惜しまず応援する感覚だ。
だからこそそのアイドルが結婚しても「おめでとう」と言祝げるのである。
日本同様、婚姻減が深刻な中国だが、もはや恋愛や結婚をスルーして「生きがい」をそこに見出さざるを得ない若者の現状があるのかもしれない。
そしてその派生が政治の地下アイドル的推し活なのでは?
参照元:Yahoo!ニュース