サイバー攻撃被害も「災害」 停電や断水、通信障害などインフラ障害を自然災害と同様の位置づけに

サイバー攻撃をイメージした写真

政府が、サイバー攻撃などによる「大規模インフラ障害」に関する対応方針を初めて取りまとめたことがわかった。

電力や水道の障害が長期化するような事例を自然災害と同様に法律上の「災害」と位置づけることが柱で、迅速に行政支援を行う狙いがある。

対応方針は、関係省庁による連絡会議で6月末にまとめた。サイバー攻撃が巧妙化する中、甚大な社会的影響に的確に対処するためのもので、大規模インフラ障害として、人為的ミスを含むシステム障害で引き起こされた大規模停電、通信障害などを想定している。

具体的には、電力や通信、データセンターなどのインフラを対象とし、信号故障による交通機能の停止やエレベーターの閉じ込め事案、断水、医療機関への影響などを例示した。

ライフラインの停止による「住家の実質的な機能不全」など一定の要件を満たせば、災害対策基本法の「災害」と扱い、関係法令を適用するとした。

災害発生直後から、職員派遣や国による物資のプッシュ型支援などが可能となる。

また、「多数の者が生命に危害を受ける恐れがある」といったケースでは災害救助法を適用し、同法が定める炊き出しや福祉サービスの対象とする。

「自然災害と異なり、これまでの経験や積み重ねが不足している」として、官民によるインフラ障害の防災訓練や机上演習を平時から行う方針を明記し、最前線で対応に当たる自治体向けのガイダンスを作成する。

参照元:Yahoo!ニュース