『エプスタイン疑惑』めぐり極右活動家ら支持離れもトランプ氏「彼らの支持いらない」強気の背景は？
連日、その言動が大きく報じられているトランプ大統領。
そのトランプ大統領の足元が、今“あるスキャンダル”で揺れています。
スコットランドで、ゴルフを満喫するトランプ大統領。
ところがここでも“あのスキャンダル”が…
デモ参加者 （7月26日）「『エプスタイン事件』がどうなっているのか、私たちはまだ何も知らない。トランプはスコットランドにいるべきではない」
人々の口から出た「エプスタイン事件」。
アメリカでも、ニューヨークのタイムズスクエアでは、大型スクリーンに「トランプは、なぜエプスタイン文書を公開しないのか？」と、トランプ氏に事件の情報公開を求めるメッセージが映し出される。
報道陣からも厳しい追及が続いている。
記者「エプスタイン氏の捜査について？」
トランプ大統領「私は一切関係ない」
連日、ニュースで取り上げられるなど、過熱ぶりを見せる「エプスタイン事件」。
発端は30年ほど前にさかのぼる。
1992年に撮影された映像に映る若きトランプ氏と会話する、資産家のエプスタイン氏。
クリントン元大統領や、イギリスのアンドリュー王子、さらに政財界の大物とも親交があった人物だ。
しかし2019年、少女らへの性的虐待の罪でエプスタイン氏は起訴され、その翌月、勾留中に死亡した。
死因は自殺とされたが、憶測が飛び交い、“陰謀論”がささやかれ出す。
それは大物政治家らを含む、少女買春の「顧客リスト」が存在し、口封じのために殺害されたというもので、背後に「ディープ・ステート」=「闇の政府」が存在するというものだ。
トランプ大統領（2023年）「ディープステートを解体し、腐敗したワシントンから民主主義を取り戻すのが私のプランだ」
2024年の大統領選、トランプ氏は陰謀論に便乗するかのように「闇の政府解体」を公約に掲げ、エプスタイン事件の関連資料の公開を明言していた。
トランプ氏の熱狂的支持層である「MAGA（MAKE AMERICA GREAT AGAIN）」を中心に「トランプ氏が大統領になれば、真実を暴いてくれる」という期待が膨らんでいく。
長年、トランプ政権をウォッチしてきた、パトリック・ハーランさんは…
東京科学大学・非常勤講師（国際関係）パトリック・ハーラン氏「（トランプ氏は）『僕は皆さんの期待する救世主です』と。（文書を）開示する姿勢を、何度も繰り返し見せていた」
ところが政権発足後、トランプ政権はエプスタイン事件に関する新たな情報を公開せず、国民の苛立ちは募る。
そこに追い打ちをかけたのが、イーロン・マスク氏。
SNSで「トランプ氏の名前が顧客リストにあり、資料が公開されない理由はそれだ」と投稿したのだ。
記者（25日）「エプスタイン文書に名前があると報告を受けた？」
トランプ大統領（25日）「報告はない」
そして7月、「顧客リストは存在せず、エプスタイン氏は自殺だった」とトランプ政権は断定、陰謀論を否定する。
この幕引きに猛反発したのが…
トランプ政権を揺るがす「エプスタイン事件」。
「顧客リストはなかった」とする発表に、真相解明を期待していた「MAGA派」は猛反発する。
これまでトランプ氏を熱烈に支持してきた、極右活動家のローラ・ルーマー氏も「MAGA派は嘘を許さない」と厳しく非難。
この事態にトランプ氏は…
トランプ大統領（16日）「全て大きなデマだ。民主党に仕組まれた大きなデマで、一部の愚かな共和党員がそのワナにはまった。愚かな人々だ」
MAGA派の一部を「愚かな人々」と非難するとともに、SNSへの投稿で「彼らの支持はもういらない」と突き放した。
この投稿直後に発表されたギャラップ社調査（7月24日）ではトランプ大統領の支持率は「37％」と、第二次政権発足後の最低を記録する。
ただこうした状況にあっても、パトリック・ハーラン氏は、トランプ氏への「支持基盤は揺るがない」と言う。
パトリック・ハーラン氏「支持者は何があっても、信じ続けるのがトランプ大統領。テフロン（フッ素樹脂加工）に例えられる。どう考えても汚れるはずの、傷がつくはずのことを散々やっているけど、全部きれいにとれる。不思議な存在」
一方で、エプスタイン氏の協力者の裁判などで、トランプ氏にとって不利な証言があった場合などには「予想外の事態」が起きる危険性を指摘する。
パトリック・ハーラン氏「エプスタイン問題から、目線を逸らそうとしている。関税合意に至ったじゃないですか。何か勝利宣言をしたかったから、わりと早めに妥協したのかもしれない。それを破り捨てるかもしれない。今は『バラク・オバマ（元大統領）を逮捕する』とか言っている。ウクライナの領土を全部譲ってもいいからと、停戦に無理矢理、持ち込もうとするかもしれない…予測不可能」
エプスタイン疑惑に揺れる、トランプ政権。
苦境に陥った場合、トランプ氏はどんな手を打ってくるのだろうか。
参照元：Yahoo!ニュース
