なぜ再注目?実は日本発祥のスイーツ「ミルクレープ」

フランス語で“千枚のクレープ”を意味する「ミルクレープ」。
今その人気が高まっているワケとは?
「フルーツがゴロッと入ったミルクレープを食べていますね」
『Afternoon Tea LOVE&TABLE 表参道』(東京・渋谷区)で多くの人が楽しんでいたのは、色とりどりに重ねられた“厚切りフルーツ”のミルクレープ。
モチモチ食感を生み出すために生地にはタピオカ粉を使用し、店内で1枚1枚丁寧に焼き上げている。
この日販売されていたのは季節限定を含む3種類。
定番&一番人気は、いちご・キウイ・バナナ・オレンジ・マンゴーとクリームを5層に重ねた「フルーツフルーツミルクレープ」だ。(お茶付き2178円)
「めっちゃおいしい。フルーツのさっぱり感が良くて食べやすい」(10代女性)
「色んなフルーツの味がするのにあんまり重くない。生地も柔らかくてモチモチ」(30代女性)
2017年のオープン当時はミルクレープを販売せず、始めたのは2021年から。
そのきっかけが「コロナ禍」だったという。
西岡文子店長:「お客様が減少し“新しいスイーツを”ということで、見た目の豪華な華やかなインパクトが一番のポイント」
SNSなどで口コミが広がり今や人気NO.1商品に。
どれも“ドリンク付きで2000円前後”となかなかのお値段だが、「月に3000個以上売れている」とのこと。
“昼食代わりに”20代女性・会社員:「高いからこそ自分をいたわっている感が出る。『ミルクレープを食べるぞ』という気持ちで朝ご飯だけ食べてきた」
20代女性・会社員:「ちょっと高いとは思うけど、見た目もかわいいし絶対おいしいので満足」
「ミルクレープ」人気が再燃した背景には何があるのだろうか?
スイーツジャーナリスト・平岩理緒さん:「懐かしいスイーツが再びトレンドになる“リバイバルブーム”がここ最近起こっている。ミルクレープもかつて流行った懐かしいスイーツが、“新しい形として進化”しているというのが最近のトレンド」
大阪・梅田が本店のミルクレープ専門店『CASANEO』でも“進化系”が人気で、4月に登場したのが“クリームの層が分厚い”「ミルクリーム 北海道純生ミルク」(734円)。
THE TIME,マーケティング部 新名真愛部員:「ミルクのコクがたまらない。口に入れると溶けていくようなミルクレープです」
“クリームが主役”の新作も加わり、店の売上げは2018年のオープン当初に比べ2倍以上に!
ミルクレープは日本発祥のスイーツで、当時を知るシェフが在籍していることから、昔の味をいかし、極薄のクレープ生地を20層重ねた「はじまり」(550円)という商品も販売している。
スイーツジャーナリストの平岩さんによると、ミルクレープが全国区になるきっかけとなったのが、全国に1000店舗以上を展開する『ドトールコーヒーショップ』。
1990年代半ばから販売をスタートすると、たちまち話題となり全国へ。
今でも「レモンミルクレープ」(530円※10月22日まで)など、季節限定フレーバーも販売するなど看板商品となっている。
MD企画部・友岡桃夏さん:「2024年に北海道産の生クリームを使用してリニューアルをしているが、前年比120%ほどの売上げ。食べる客の幅が広がった」
さらに“映え過ぎる”と話題なのが『galetteria BLUE RIBBON TOKYO』(東京・世田谷)。
40代男性・会社員:「ちょっとお値段するなと思ったけど、見映えなどを含めたらそんなに高くないかな」
まるで“ショートケーキ”のような「シャインマスカットレアチーズミルクレープ」(1780円※7月16日から販売・季節限定)は、クレープ生地に練乳入りのレアチーズクリームの分厚い層、そこにシャインマスカットがゴロゴロと。
それが2段になった贅沢な進化系ミルクレープだ。
新名部員:「生地感もありつつ、ふわふわのシャインマスカットのおいしさが際立つようなコクのあるクリームが最高」
毎月、旬のフルーツなどを使用した季節限定のミルクレープを販売。
ほとんどの客が、SNSの投稿を見て来店するという。
山田雄 店長:「断面、横から見た時の見た目、かなりフォトジェニックな感じ。販売当初と比べると5倍ぐらい売り上げが伸びている」
日本生まれの「ミルクレープ」が、進化した美しい見た目とご褒美需要から再び人気となっている。
参照元:Yahoo!ニュース