「マツの木伐採の時期が不適切だった」富山城址公園のサギ107羽 大量死 多くの幼鳥がエサ得られず 富山市が記者会見

富山城址公園で相次いでいたサギの大量死について、富山市は29日、大量死の原因は、マツなど樹木の伐採時期が不適切であったことによるものと明らかにした。
これまでに見つかった死骸は107羽に上り、富山市は今後、専門機関等の意見を踏まえ慎重な対策をとっていくと話している。
サギの死骸が最初に発見されたのは先月28日。
公園を巡回していた業者が堀で死んでいる2羽のサギを見つけた。
その後、被害は急速に拡大。2日後には一日で40羽の死骸が確認されるなど、今月25日までに合わせて107羽が死亡したことがわかっている。
富山市によると、死亡したサギからは鳥インフルエンザなどのウイルスは検出されていないという。
今回の大量死の原因について、市は「繁殖期の真っ最中にマツの木を伐採したことが主な要因」と結論づけた。
富山市は約3年前から、公園利用者や通行人からサギの鳴き声やフンの被害相談があったことから、今年は先月23日ごろから生息地となっていたマツの木6本を伐採していた。
しかし、見つかった死んだサギを調べたところ、成鳥に見えた個体のなかにも自立できてない幼鳥が多くいたことから、子育て期間が終了しない時期に木を切り倒したことで、住み家を失ったサギがエサを得られず、生き残れなかったと見られている。
サギの生態に詳しい富山県自然博物園ねいの里の間宮寿頼館長補佐は「サギにとって富山城址公園は外敵に襲われる可能性が低く、高い木があるなど、これまでは好条件の場所だった」と説明している。
また「人とサギが共存していくためには、公園内でもサギの巣作りを許容できるエリアと許容できないエリアをあらかじめ区分けして対応していくことが必要」と指摘している。
富山市は今回の事態を重く受け止め「野生生物への配慮を欠いた対応であったことを重く受け止め、深く反省している」としている。
そのうえで「サギ類の子育て期における作業制限や、専門機関等の意見を踏まえた慎重な対応を徹底するとともに、再発防止に向け、より適切な意思決定と情報協力体制の構築にとりくんでまいります」と話している。
具体的には、サギの繁殖期を避けた環境整備の実施や、公園内での生息可能区域の設定などを検討していくとしている。
参照元:Yahoo!ニュース