「首を絞めて折った」ロシア人女性死亡 息子を強盗殺人の疑いで逮捕 大阪・浪速区

今年6月、大阪市浪速区の集合住宅の一室で、この部屋に住むロシア国籍の50歳の女性が血を流して死亡しているのが見つかった事件で、警察は28日、強盗殺人の疑いで20代の息子を逮捕したと明らかにした。
強盗殺人の疑いで逮捕されたのは、静岡県御前崎市に住む会社員で、死亡した女性の息子の伊藤金木(かねき)容疑者(21)だ。
警察によると、伊藤容疑者は6月26日、大阪市浪速区下寺の集合住宅の一室で、この部屋に住む母親でロシア国籍のイトウエレナさんを数十回殴り、首を絞めるなどし殺害したうえ、現金1万5千円を奪いとった疑いが持たれている。
エレナさんと別居している夫が、数日間、エレナさんと連絡が取れなかったため部屋に確認しに行って事件が発覚。
6月27日午後10時ごろ、ベッドの上であお向けになり、顔から血を流して死亡している状態で発見された。
司法解剖の結果、エレナさんの死因は「熱中症」で、6月26日午前ごろに死亡したとみられるという。
一方で、顔面に殴られたような痕が集中し、右手には「防御創」とみられる皮下出血があることから、殴られて動けなくなった後に熱中症を発症したものとみられ、警察が殺人事件の可能性もあるとみて捜査を進めていた。
被害者の関係者への聞き取りなどから、伊藤容疑者が、隣のマンションからエレナさんの部屋のベランダに飛び移り、部屋に侵入した可能性が浮上。
警察が周辺の防犯カメラを調べたところ、事件当日、伊藤容疑者が事件現場の隣のマンションに侵入する姿が確認されたという。
警察は7月7日、伊藤容疑者を隣のマンションに侵入した邸宅侵入の疑いで逮捕し、その際の警察の調べに対して、伊藤容疑者は「何発か殴って、首を両手で5分以上絞めて、首を折りました」と話していたという。
一方で、強盗殺人の疑いで逮捕された後の調べに対しては、黙秘しているという。
エレナさんの知人の男性は読売テレビの取材に対し、「(事件から)3か月ほど前、エレナさんが息子に殴られて顔にケガをしていた。息子がベランダから部屋に入って、家の中を壊したこともあった。」とエレナさんと息子との間にトラブルがあったことを話した。
また、エレナさんが死亡した日の前日に連絡を取っていた同僚の女性は「エレナさんは優しくていい人だった。事件の2週間前に息子のことが怖いから、(私に対し)近くに引っ越してこないかと相談されていて考えているところだった。部屋が荒らされる動画を見せて私に助けを求めてくれていたのにアクションを取れなかったから悲しい」と悲痛な胸のうちを明かした。
警察によると、伊藤容疑者はエレナさんに対し、金を無心することが度々あったということで、警察は動機や事件が起きたいきさつを詳しく調べている。
参照元:Yahoo!ニュース