米、メキシコからの運航便制限も 競争巡り対抗措置警告

メキシコの国旗を撮影した写真

トランプ米政権は19日、メキシコ政府が旅客便の発着枠を削減し、貨物輸送会社にメキシコ市でのオペレーションを移転させ、米国の航空会社に影響を与えたとして、メキシコに対して措置を講じると表明した。

米運輸省は、メキシコの航空会社に対し、7月下旬の期限までに米国内で運航する全ての航空便のスケジュールを同省に提出するよう求め、米国発着の大型チャーター便については米国の事前承認を義務付ける命令を出した。

ダフィー運輸長官は声明で、メキシコ政府が2022年と23年の決定に対する米国の懸念に対処しない場合、メキシコからのフライトリクエストを却下する可能性があると述べた。

運輸省はまた、競争上の問題に対処するため、米デルタ航空とメキシコのアエロメヒコ航空の合弁事業に対する独占禁止法の適用除外措置を撤回することも提案している。

メキシコは米国の航空旅行者にとって最も人気のある海外渡航先だ。

デルタ航空は運輸省が認可を撤回すれば、「米国とメキシコを行き来する消費者、米国の雇用、地域社会、国境を越えた競争に大きな損害を与えることになる」と述べた。

アエロメヒコ航空は、この命令に対する共同回答書を準備中であり、近日中に発表する予定だと述べた。

運輸省は、フライト枠削減や貨物航空会社に運航地移転を強いることで、メキシコが二国間航空協定に違反したと主張している。

当時のロペス・オブラドール大統領は、首都の主要空港は混雑しすぎており、中心部から距離のある新しいフェリペ・アンヘレス国際空港(AIFA)でさらなる交通量の処理が可能だと主張し、この決定を擁護した。

運輸省はまた、空港での制限を巡って欧州諸国に対しても措置を講じる可能性があるとしている。

参照元:REUTERS(ロイター)