型破りな「TikTok校長」 コメント欄で意見募集 柔軟な学校改革?令和の学校の在り方は

SNSの情報をチェックしている人

海外から注目されている日本の学校。

そんな中、今SNSで“ある高校の校長先生”が話題となっている。

それが安藤正晴氏。

「学校でのスマホ使用の是非」や「校則」についてをユニークな形でTikTokに投稿し、わずか半年で、総再生回数およそ1千万回を記録した。

きっかけは、自宅で学校の今後について話していたときのこと。

「とにかく息子が、TikTokをやらせてくれと。学校の校長先生がやったら絶対バズるというので、仕方なく始めた」。

SNS運用代行会社を営む息子の大弥さんが、企画・構成・撮影・編集などほぼ全てを担当する。

TikTokを使って学校改革も行っている。

やりたいことや直して欲しいことなどをコメント欄で募集した結果、実際にメイク授業や美容師になれるコースを採用した。

他にも、定期試験の廃止や、ピアス、メイク、髪色も自由にするなどしている。

生徒からは「授業に支障出るとかなく 楽しめるところは楽しめるので校則なくなってよかった」「校則無くしてくれてありがとうございます」との声が上がっている。

理事長は「生徒たちに任せて大丈夫だろうかという考えも多少あったが、時代が変わっていく中で、子どもたちももっと自由であっていいだろうと思う」と述べた。

しかし、「校則は必要じゃない?」「学校が荒れそう…」など根強い意見も多い教育現場。

『ABEMA Prime』では、令和の学校の在り方について、安藤氏に話を聞いた。

安藤氏は、TikTokを始める具体的な経緯について、「校長になって6年目で、今年の4月から、化粧、ピアス、髪を染めるなど子どもがしたいことを、生徒指導の対象から外すと家で話してたら、『それは全国の高校生や中学生にもやった方がいい。これ絶対バズるから』と息子が言い出して、『やってみてもいいけど、金は払わないよ』っていうのがスタートだ」と説明する。

改革の手法については、「TikTokで全国の中高生から『こんなコースを作ってほしい』『こんな格好してほしい』というコメントを拾って、実際にやってみる」という。

反響も大きく、「中高生だけでなく、大人が『自由にするのはいいけど、マナーやモラルはこんなことでやってください』などの意見が多かった」「全国の子どもたちは、いろんな考え持っていて、より頑張らないといけない」。

効果について、「少し不安だったが、先生方と面談したら、みんな良かったと話す。生徒を信じることで、子どもたちも化粧して隠れることもなくなり、家のことや将来のこと、彼氏、彼女のことを全部話してくれる。だから、教員も生徒と心と心で向き合えるようになった。今のところ、マイナスなことが1つも出てきてない」と明かす。

学校改革の考え方については「生徒の主体性を大切にする学校が今たくさん出てきてるが、生徒指導も任せてみるのが本来の姿。生徒から『この校則は作ろう』とか出てきてもいいと思う」。

また、「うちは『進学校ではない』とオープンスクールではっきり言う。進学校ではない学校は管理しないと暴れん坊になると言われているが、その差を考えたときに、教員が子どもを信じてるかどうかだと思う。我々の学園では、『じゃあ大人が信じてみよう』ということに今チャレンジしてる」と述べた。

一方、SNSでの批判について、「何千件の応援してくれる中に、1〜2件はきつい言葉がある。その言葉によって、3カ月ずっと口内炎ができた。うちの理事長はドクターだが、『このフィールドで勝負しちゃダメだ。匿名に入り込んだら、それは傷つく』と言われた。だから今は、息子が嫌なものは事前に削除してくれている。実際に言いたいことがあれば『直接連絡してきてほしい』と保護者も含めて伝えてある。しかし、ありがたいことに一件もない」。

SNSの使い方について教育的な視点から、「“使うな”ではなく、“使ってみる”。知らずに過ごして、大学生や社会人にさせるのではなく、使ってみて、危険やリスクを伝える。18歳から大人になってしまうから」との見方を示した。

学校現場の変化については、「最初の1週間は、金髪やピアスが出てきて、びっくりするが、もう大学生って思うようにしてる。今までは高校生までがしつける。大学生から自由になる。それが日本の教育だが、高校からは大学、社会人の準備でいいんじゃないか。先生方も1カ月経つと慣れて、距離が近くなって、学校が明るくなった」と実感している。

参照元:Yahoo!ニュース