通知表なし、じわり増加 教員にゆとり、児童との時間に 島根の小学校1学期終業式 

小学校の教室をイメージした写真

夏休み前に通知表を配らない小学校が増えている。

年に2回評価を付け、2学期の途中と年度末に通知表を渡すことで、慌ただしくなりがちな長期休暇前に、児童と関わる時間が増やせる効果があるといい、県内でも広がっている。 

県内のほとんどの小学校や義務教育学校が終業式を迎えた18日。

松江市東持田町の持田小学校では、児童に通知表を渡さなかった。

2024年度までは、各学期末に渡していたが、25年度から2回に切り替えた。

2学期途中の9月下旬と3学期末の3月下旬に手渡すことになり、時間にゆとりが生まれた。

6年生の児童(11)は「区切りがいいから通知表は3回あった方がいいかな」とし、別の児童(11)は「荷物が減るからうれしい」と反応はまちまち。

それでも吉田卓矢校長は「終業式前はいつもせわしない雰囲気だった。先生と子どもが向き合う時間が増えている」と前向きに捉える。

3学期制から2学期制にするには、自治体の学校管理規則の改正が必要になる一方、通知表の配布回数は各学校で判断できる。

県内では浜田市が、25年度から全15校で年2回配布に切り替えた。

市教委学校教育課の山口康弘課長は「7月中に保護者と担任が懇談し、評価の過程も伝えているため、特に支障はないとみている」とする。

23年度に導入した意東小学校(松江市東出雲町下意東)では保護者から反対の声はなく、教員の多忙感軽減を念頭に「ほかにも協力できることがあれば言ってほしい」と声が上がったという。

夏休み前、残業や休日出勤で通知表を作成する作業に追われる教員を見てきた野村康徳教頭は「ゆとりを持って働くことができており、保護者の理解も進んでいる」と驚く。

22年度から年2回配布にし、25年度から文章の所見欄をなくした大庭小学校(同市大庭町)は、夏休みに保護者と面談する。

県小学校長会の会長も務める佐藤淳校長は「生まれた余白で何ができるか、より効果の大きいことに注いでいきたい」と話した。

参照元:Yahoo!ニュース