「熱中症」はなぜ「住居の中」で発症することが多いのか 特に高齢者は要注意

暑く湿度の高い日が続き、各地で熱中症によって亡くなったり、病院に運び込まれたりする患者が増えている。
熱中症で救急搬送された人のうち、65歳以上の高齢者が6割近くを占め、発症場所は約40%が住居の中となっている。
農作業中や敷地内の屋外で熱中症になる人も多いが、高齢者が屋内で熱中症になるケースは少なくなく注意が必要だ。
では、なぜ住居の中で高齢者が熱中症にかかりやすいのだろうか。
総務省消防庁のデータ(2024年5月から9月)によれば、熱中症で救急搬送された人の年齢区分は65歳以上の高齢者が57.4%、発生場所は住居が最も多く38.0%だ。
高齢者が自宅などの住居の中で熱中症にかかることが多い理由として、高齢者は身体の水分の割合が低く、脱水状態になりやすく、喉が渇いたという感覚も衰えるため、水分補給をまめに行わなくなることが指摘されている。
また、高齢者は体温を調節する機能も衰え、気温を感知する皮膚や中枢神経がうまく働かなくなっている。
加齢によって発汗の機能が低下すると汗をかきにくくなって気化熱による体温調節が難しくなり、外気温の上昇を感知して皮膚の血管を拡張させる機能も低下するから、皮膚の血管からの放熱効率も悪くなることも大きいだろう。
過去の調査研究によると冷房を苦手と感じる高齢者が多いため、エアコンの設定温度を高めにする傾向があり、気化熱による体温調節が効かなくなって熱中症にかかりやすくなる。
エアコンをつけて寝ることが身体に悪いと思い込んでいる高齢者も少なくないため、住居内でもかかる危険性があることを周知し、熱中症の予防意識を高めていく必要がありそうだ。
参照元:Yahoo!ニュース