直木賞、選考に4時間 京極夏彦さん「受賞作出そうとあがいた」

16日午後8時前、東京都内に設けられた芥川・直木賞の選考結果の発表会場。
芥川賞に続いて、直木賞も「該当作なし」の紙が張り出された瞬間、待ち構えていた100人を超える報道陣はどよめき、方々から「えー」という声とため息が漏れた。
両賞とも該当作なしは1997年下半期の第118回以来27年半ぶり。
90年にわたる両賞の歴史の中でもこれまでに5回しかなく、ここ数年はどちらかの賞で2作受賞が続いていた。
それだけに、選考委員による記者会見では、議論の中身に質問が集中した。
選考は両賞とも午後4時に始まった。
芥川賞で該当作品がないと発表されたのは午後5時50分ごろ。
例年芥川賞発表のあと、まもなく発表される直木賞はなかなか結果が出ず、終わってみれば選考開始から約4時間が経過していた。
日本文学振興会によると、これほどの長時間の選考は異例だという。
直木賞選考委員の京極夏彦さんは「これだと受賞作なしもあるのではないか、となったのは(開始から)3時間35分ぐらい。極めて最後までそれぞれの選考委員が受賞作を出そうとあがいていた」と話した。
芥川賞、直木賞の受賞作は出版業界にとっても、売り上げを伸ばす好機だ。
「受賞作なし」の影響について問われた京極さんは「できれば候補作全てが売れるのが一番。拮抗(きっこう)した作品である以上、どれも読者に届く作品であることは間違いありません」と話した。
参照元:Yahoo!ニュース