石破首相がアナウンサーをどう喝? “誤情報”拡散で「パワハラ総理」 実際は? 「悪質な切り取り」の声も

疑問を抱えている人

石破首相がアナウンサーをどう喝しているという誤情報がSNSで拡散され、批判を招いた。

番組で放送された部分を切り抜き編集した動画がベースになっているが、実際はどんなやり取りがなされていたのだろうか?

専門家に注意すべき点を聞いた

1日、『news every.』で放送した主要8政党の党首による党首討論。

この放送は現在、日テレNEWSの公式YouTubeで配信されていて、地上波の放送部分のほか、各党首に伝えた上でCM中の様子も含めて配信している。

そのCM中のやりとりをめぐって、SNSには「CM中にアナウンサーを恫喝(どうかつ)する石破茂。CM中だからバラされないとでも?舐(な)めてるのはお前だよ!」という投稿が上がった。

CM中に石破首相がアナウンサーを恫喝したという書き込みとともに、石破首相のCM中の発言を切り抜いた映像が投稿されている。

そこでは「舐めない方がいいですよ。今50代の人達ね。」というテロップが添えられている。

この発言が、アナウンサーを恫喝したとされている。

この投稿は8日時点で3100万回以上表示されている。

「パワハラ総理」「こっちが国民をなめるなと言いたい」と石破首相を批判するコメントもあった。

実際にはどのようなやり取りだったのだろうか。

この発言の少し前を見てみると、話していたのは社会保障費についてだった。

公明党・斉藤代表「今どんどん社会保障費は必要になってきていますし、社会保険料と税でまかなっているんですけど。安心安全ということを考えれば、社会保障の充実は大切だと思います」

これを受け、石破首相は「団塊のジュニアが高齢化するって、あんまりなめない方がいいですよ。今50代の人たちね」と発言した。

石破首相の「なめない方がいい」という発言は、団塊のジュニア世代(今の50代)が高齢化したときの社会保障の負担について、なめない方がいい、つまり楽観できないとの認識を示したものだった。

アナウンサーを恫喝する発言ではなかった。

誤った情報とともに拡散された切り抜き動画。

「悪質な切り取りですね」「だまされる方が多いのにもびっくり」などと、冷静に見ている人もいた。

SNSと政治に詳しい立命館大学・谷原つかさ准教授は「真実っぽい情報・正しそうな意見、いわゆる曖昧な情報も増えたと思うんですよね。情報が『あれ?ちょっと変だな』と思ったら、飛びつかずにやり過ごす(ことが大切)」と指摘する。

真実が分かるまで拡散やいいねをせず、放っておくことが大事だという。

参照元:Yahoo!ニュース