ユニチカが繊維事業一部をセーレンに売却 岡崎事業所を譲渡 赤字続き繊維事業からの撤退表明

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大手繊維メーカーで事業撤退を表明している「ユニチカ」が、繊維事業の一部を「セーレン」に売却すると発表した。

「セーレン」は福井県福井市に本社を置く総合繊維メーカーで、ユニチカの岡崎事業所(愛知県)や三菱ケミカルと共同出資していた「日本エステル」の事業を譲渡するという。

大阪市中央区に本社を置く「ユニチカ」は1889年に創業し、戦前から日本の繊維産業を支えてきた。

しかし、衣料品をはじめとする繊維事業は近年、中国製品などとの価格競争により赤字が続き、2024年11月に繊維事業からの撤退を表明。

これに伴い、取引のあった金融機関が約430億円の債権放棄に応じるなど、経営再建に向けて取り組んでいた。

譲渡の対象となる事業は、愛知県の岡崎事業所で行っていたユニチカと子会社「日本エステル」のポリエステル重合事業、衣料繊維事業、不織布事業、産業繊維事業だ。

ユニチカとセーレンは20日午後、大阪市内で会見を開き、ユニチカの藤井実社長は「弊社の力が及ばないところの事業を譲渡させていただいて、セーレンの培ってきた高い技術力の中で再生を図っていくことに基本合意したのは非常にうれしい」と述べた。

一方、セーレンの川田達男会長は、「岡崎事業所の広大な土地と建物、優秀な人材、今後の事業展開の可能性の4つに着目した。まだ、基本合意なのでこれから話し合いを進めていきたい」と話している。

ユニチカは今後、セーレン側と具体的な売却金額や譲渡方法を協議し、8月初旬をめどに契約を締結するという。

参照元:Yahoo!ニュース