「いじめではなく、おしおき」上級生が法廷で主張 粘着テープで畳に貼り付けわいせつ行為 動画を送信された高2生徒が自殺

4年前、福岡県宗像市の高校に通う男子生徒が自殺し「いじめ」を行ったとされる剣道部の上級生を、死亡した生徒の母親が訴えている裁判。
いじめ行為を主導したとされる上級生が20日、初めて法廷に立ち「いじめではなく、おしおきだった」などと主張した。
福岡県宗像市の東海大学付属福岡高校の2年生だった侑大(ゆうだい)さん(当時17)は2021年3月、自ら命を絶った。
侑大さんの母親は、侑大さんが命を絶つ1年半前に、所属していた剣道部で「いじめ」を受けていたとして去年、上級生4人を相手取り提訴した。
母親:「謝罪をしていただいたところで、侑大は戻ってきません。それでも犯した罪は認めていただき、償っていただきたい。」
訴状によると、侑大さんは剣道部の部室内で全身を粘着テープで畳に貼り付けられ、身動きができない状態でわいせつな行為を受けた。
その様子は動画で撮影され、SNSで複数の生徒に送信されていたという。
侑大さんの体を押さえたり、撮影したりした上級生4人のうち、3人は事実関係を認め、和解などが成立しているが、行為を主導したとされる上級生は争う姿勢を崩していない。
福岡地方裁判所では20日、この上級生が初めて法廷に立ち、意見を述べた。
侑大さんへの行為は「いじめ」ではなく、生活態度を注意するための「おしおき」や「遊び」だったという主張だ。
被告側弁護人「侑大さんにいつもは口頭のみの注意だったのに、このとき、なぜ行為に及んだ?」
被告の上級生「普段、言ってもニヤニヤするし、何回言っても聞かないから、おしやきしてやろうと思って始まった。いつものおふざけの感じでやった。」
被告側弁護人「なぜ、侑大さんの性器を出して触った?」
被告の上級生「部内で触って遊ぶノリが多かったので、流れでやった。」
被告側弁護人「当時は遊びの一環だった?」
被告の上級生「はい。」
あくまで、剣道部内の悪ふざけだったと話した上級生。
周りで見ていた部員も笑っていて、侑大さんが嫌がっているとは思わなかったとした。
侑大さんの母親側から「社会では犯罪行為に該当する」と指摘を受けると「悪いことでしたが、部の雰囲気や流れからそうしてしまった」と話した。
その上で「今は悪かったという気持ちはある。やったことは本当に申し訳ないと思っています」と述べた。
一方で、わいせつ行為の後も、侑大さんは剣道部の練習に参加するなど以前と変わらぬ仲の良い関係が続いていたと主張した。
上級生の主張に対し、法廷に立った侑大さんの母親は「許せない。侑大は家に「死にたい」と泣きながら帰ってくるほど精神的な苦痛を受けた」と話し、息子がいかに苦しい思いをしたのかについて訴えた。
20日の裁判は先ほど終了し、裁判長は双方に和解を打診した。
厚生労働省や自殺防止活動に取り組む専門家などは、悩みや不安を抱えていたら一人で解決しようとせず専門の相談員に相談してほしいと呼びかけている。
ふくおか自殺予防ホットライン:092-592-0783(年中無休24時間)
24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(年中無休24時間)
きもちよりそうライン@ふくおかけんLINEID:@469xxbam(月曜と木曜 午後4~午後7時)
参照元:Yahoo!ニュース