マスク氏のAI企業、50億ドルの資金調達にめど

資金調達を検討している事業主

米実業家イーロン・マスク氏の人工知能(AI)関連企業xAIが、社債発行などを通じた総額50億ドルの資金調達にめどを付けたと、2人の情報筋が明らかにした。

18日に投資家に割り当てられるという。

一方、xAIは赤字企業なのに加えて財務内容をほとんど開示しておらず、同社および社債が格付けを受けていないことなどを背景に投資家の関心は乏しく、引き受けを断った投資家もいたことが分かった。

今回の資金調達は米モルガン・スタンレーが主導し、変動金利融資、固定金利融資、担保付き社債が含まれている。

変動金利融資は、銀行間取引の指標となる担保付き翌日物調達金利(SOFR)を700ベーシスポイント(bp)上回る利回りで提供。

一方、固定金利と担保付き社債の利回りは約12%になる。

ハイイールド債のパフォーマンスを追跡する「ICE BofAハイ・イールド・インデックス」によると、今月16日時点のハイイールド債の平均満期利回りは7.6%だった。

xAIおよび同社の社債はまだ格付けを受けておらず、投資家に財務状況をほとんど明示せず、リスクも高いため、調達する資金に高い利回りを迫られた。

xAIの社債購入を持ちかけられた債券投資家3人はロイターに対し、引き受けを断ったことを明らかにした。

うち1人はxAIが依然として利益を計上できておらず、社債は格付けされていないのが難点だと指摘し、マスク氏が2022年に短文投稿サイト運営企業の旧ツイッター(現X)を買収するために調達した440億ドルの行方を踏まえると、特に慎重になったと説明した。

この際にマスク氏に計130億ドルを融資した銀行は2年間にわたって処理できず、バランスシートに負債として計上することを余儀なくされた。

参照元:REUTERS(ロイター)