尿を用いた検査でステージ0の肺がん患者を早期発見 名古屋大発の新興企業が発表

医療をイメージした画像

尿を用いてがんのリスクを検査する「マイシグナル」を提供している名古屋大発のスタートアップ(新興企業)、Craif(クライフ、東京都文京区)は16日、北海道で行った共同研究で、検査でリスクが高いと判定した人から肺がんの疑いのある腫瘍が見つかり、手術で超早期のステージ0の肺がんを取り除いたと発表した。

小野瀨隆一最高経営責任者(CEO)は発表会で、「がんは早期発見できれば生存率も高く、治療のコストも低くできる。早期に発見して治療するのが当たり前の社会にしていきたい」と強調した。

同社が開発したマイシグナルは、尿からがん細胞が放出する「マイクロRNA」を高い精度で検出し、がんのリスクを判定する。

共同研究は北海道大学病院の加藤達哉教授らと実施し、北海道岩内町などの100人にキットを無償提供して検査した。

この結果、5人が肺がんの「中」リスクと判定され、精密検査を受けたところ、1人で肺がんの疑いのある腫瘍が見つかった。

その後、手術で取り除き、完治した。研究成果は呼吸器外科学会学術大会で発表した。

北海道は面積が広大で、医療機関の不足などもあって、がん検診の受診率が低い。

マイシグナルは自宅で尿を採取して検査できるため、医療機関で行う血液検査などより手軽という。

参照元:Yahoo!ニュース