愛犬を米兵のピットブルにかみ殺された飼い主「胸が痛い」 逃げた時、県警に通報あれば…

事件現場をイメージした写真

沖縄県内で相次ぐ大型犬による咬傷(こうしょう)事案。

金武町で5月、米兵が飼うピットビルに愛犬をかみ殺された飼い主が11日までに、本紙の取材に応じ「胸が痛い。二度と同じようなことが起きてほしくない」と再発防止を訴えた。

取材に応じたのは、町内に住む女性(73)と夫(76)。

ボーダーコリーと柴犬の雑種の雄ライム(10歳)を飼っていた。

女性が「穏やかで優しい性格だった」と振り返るライム。

大好きな散歩中はよく、近所の小学生から声を掛けられた。

事案が起きたのは5月30日。

午後11時半ごろ、女性が就寝しようとしていると、玄関外の犬小屋から突然、普段は聞かない「ギャイン、ギャイン」とこもったようなライムの鳴き声がした。

驚いて見に行くと、ピットブルが犬小屋の入り口から頭を突っ込んでいた。

ライムの首輪に付けている固定用のチェーンを引きちぎり、首元をかんだまま、数メートルほど先の壁まで引きずった。

危険を感じた女性は110番通報。

ピットブルは近くの路上をうろついた後、31日午前1時ごろ、石川署員によっておりに入れられた。

今月6日、夫や親族らは自宅を訪ねてきた飼い主の米海兵隊員とその家族の謝罪を受けた。

5月30日夜に散歩中、ピットブルが急に逃げ出したと説明したという。

謝罪に立ち会った親族によると、海兵隊員はピットブルが逃走した際、米軍の憲兵隊や所属部隊には連絡したものの、県警には通報していなかったと明かした。

理由について「憲兵隊から『日本の警察には逃げたことは連絡しないように』と言われた」と話したという。

県はホームページで、闘犬や大型犬などの危険な犬が逸走した場合、飼い主の責任で捜索するとともに、警察や市町村役場、県の出先機関にも連絡するよう呼びかけている。

女性は「外で逃がした場合、県警にもしっかり情報を共有してもらえれば、早めに目撃情報などが寄せられたのでは」と憤る。

夫も「2カ月連続で犬を死なせる事案が起きた。行政の動きが鈍い」と苦言を呈した。

2人は「ライムに苦しい思いをさせた」と涙を見せながら、米軍関係者の飼い犬も事前に市町村への登録を徹底するなど、対策の強化を強く求めた。

参照元:Yahoo!ニュース