性教育の拡充、教委の7割が「必要」指導要領以上「認めたい」も半数

学校での性教育の拡充を求める声が強まっている。
朝日新聞が全国の政令指定市、県庁所在地、東京23区の教育委員会に拡充の必要性を尋ねたところ、回答したうちの7割近くが「そう思う」と回答した。
アンケートは昨年11~12月に実施。
対象となる74教委のうち、64教委から回答を得た。
一部のみの回答にとどまる教委もあり、福島、静岡、津、大津、奈良、岡山、山口、福岡、北九州、鹿児島の各市からは回答が得られなかった。
性教育の拡充が必要かという質問には、43教委が「大いにそう思う」「ある程度そう思う」と回答(不回答9)。
インターネットの発達によるトラブルの危険性や性的な情報の氾濫(はんらん)を理由とする声が多かったが、「相手を思いやり、望ましい人間関係の構築のために重要」(佐賀市)など、人権の視点で性教育が必要だという意見も目立った。
管内の学校で十分な性教育がなされているかという質問(不回答8)には、52教委が「大いにそう思う」「ある程度そう思う」と回答した一方、「あまりそう思わない」という回答も4教委からあった。
「学習指導要領に基づいた指導に加えて、児童生徒を取り巻く環境の変化等を踏まえた指導の必要性は感じている」(京都市)といった理由だった。
学習指導要領に沿ってはいるが基本的な知識の習得のみで終わっている、という声もあった。
朝日新聞は各教委に、学習指導要領の「はどめ規定」に抵触しうる性交と、避妊方法・人工妊娠中絶について、学校から授業で教えたいという声が上がった場合の考えについても尋ねた。
「積極的に認めたい」「ある程度は認めたい」と答えたのは、いずれも32教委だった(不回答は性交17、避妊方法・人工妊娠中絶16)。
認めたいと回答した教委では、「学習指導要領に明確な記述のない内容の取り扱いは慎重に行われなければならないが、性交に関する基本的な知識を教えることは、子供が適切な判断を下し、危険な状況を回避するために重要」(東京都足立区)、「(避妊方法などは)人生の選択肢として認められるべき手段であり、習得しておくべき知識」(堺市)などの意見があった。
参照元:Yahoo!ニュース