トランプ氏、ケネディ・センターで初観劇 歓声とブーイング

トランプ米大統領は11日、首都ワシントンの文化施設ケネディ・センターの理事長に就任後初めて同センターの公演を観劇した。
センターへの寄付金集めが狙いで、1000万ドルを超えたと自画自賛した。
この日はメラニア夫人のほか、バンス副大統領やボンディ司法長官、ケネディ厚生長官ら政権高官も随行する形でミュージカル「レ・ミゼラブル」を楽しんだ。
センターは既にトランプ氏が保守派の管理下に置いているため、トランプ氏が姿を見せると2300席の会場は歓声が湧き上がる一方で、ブーイングも巻き起こった。
トランプ氏は第2次政権発足後、当時のセンター理事長を解任した。
自身が後任に就任するとともにセンターが「リベラルすぎる」と批判。
あり方を全面的に見直すと表明していた。
ただ、その後のチケット販売は減少している。
この日は完売したものの、開演直前は空席が目立っていた。
トランプ氏はタキシードに身を包み、記者団に「われわれが(この施設を)素晴らしいものに生まれ変わらせる。資金は全部そろっている。今夜は多くの資金が寄せられた。それを使って、ここをかつてないほどの最高の水準に引き上げていく」と述べた。
トランプ氏はそのように胸を張ったものの、センターの収益に詳しいある関係者によると、今月初旬時点での来シーズン(秋に開始)の年間利用枠の販売は前年比36%減の280万ドルに止まった。
通常は収入の柱となる観劇パスの収入は82%も減った。
センターでは、寄付金も重要な収入だ。
この日のために10万―200万ドルを寄付していれば、公演前のレセプションでトランプ氏と記念撮影し、劇場内で良い席に座ることができた。
トランプ氏の側近でセンター館長の元駐ドイツ大使、リチャード・グレネル氏は「今夜のために1000万ドル余りが集まった。本当に素晴らしい。まさに必要とされている資金だ」と話した。
この日の公演は「レ・ミゼラブル」。
市民らが政府に反旗を翻す物語で、トランプ氏は「何度も見ているが、お気に入りの1つだ」と語った。
この数日前、トランプ氏は不法移民摘発を巡る抗議活動鎮圧のため州兵と海兵隊を西部カリフォルニア州ロサンゼルスに派遣していた。
参照元:REUTERS(ロイター)