食べられる店が急増 スパイス香る「ビリヤニ」ブームなぜ?

インドやパキスタンなどで愛される料理「ビリヤニ」が話題になっている。
人気のワケとは
4月から開催されている大阪・関西万博。
世界中の料理が楽しめる中で、ひときわ人気だったのが「ビリヤニ」だ。
「めちゃめちゃおいしい」
「スパイスの炊き込みご飯という感じでおいしい」
「ビリヤニ」とは、米をスパイス・肉や魚などと一緒に炊き込んだ料理で、主にインドやパキスタンなどで食べられている。
『大阪ハラルムガル EXPO2025店』の「チキンビリヤニ」(2000円)は、細長いインディカ米の一種で最高品質の「バスマティライス」を使い、中には大きなチキンがゴロゴロ。
『株式会社エス・エー・グループ』大阪万博担当COO・為永 大さん:「万博始まってから1万食以上は売っている。予測をはるかに超えてました」
“カレーの街”東京・神保町にあるベンガル家庭料理『トルカリ神保町本店』でも、お昼時には満席に。
東京駅にある『エリックサウス八重洲店』には長い行列ができ、「ここのビリヤニが食べたくて始発の新幹線で来た」(愛知在住の女性)という人も。
実は、今ビリヤニが食べられる店が増えているのですが、一体なぜなのか?
著書がアマゾンや楽天の「料理本ランキング」で発売前から1位を獲得するなど話題のスパイス料理研究家に聞いた。
印度カリー子さん:「スパイスカレーブームで専門店が増えて飽和状態になってしまった。ビリヤニは“スパイスカレーの進化版”みたいな料理なので注目を浴びるようになってきた」
数多くの店があるなか、カリー子さんが「現地からシェフが来て“本場の味”がそのまま食べられる」と注目しているのは、埼玉・八潮市にあるパキスタン料理店『カラチの空』。
男性客:「わざわざ川越から1時間半かけて来た。ここのビリヤニが世界で一番おいしい」
看板メニューの「チキンビリヤニ」(1430円)は、炊き込まれて赤やオレンジ、黄色になったご飯に、輪切りのトマト、オニオンが添えられた色鮮やかなビリヤニだ。
THE TIME,マーケティング部 新名真愛部員:「初めて食べるお米の食感で、サラサラ・パラパラ・フワフワ。お肉ほろほろ、柔らかくてお米にも肉の旨みが滲み出ている。おいしい」
肉の柔らかさを生み出すのは“パキスタン流”の炊き方。
鍋にカレーとバスマティライスを交互に重ねて層にすることで、肉の形が崩れにくく、旨みもご飯に染み渡るのだという。
オーナー ザヒット・ジャベイドさん:「ビリヤニは結婚式やお祝いで作るもの。今は周りもビリヤニに力を入れているからすごく嬉しい」
続いてカリー子さんが「“ブームの火付け役”と言っても過言ではない」と推すのが東京・神田にある『ジョニーのビリヤニ』。
1番人気の「マトンビリヤニ」(1500円)は、骨付きの羊肉を柔らかく煮込み、スパイスの効果でクセが消されているので食べやすいのも特徴だ。
約10種類のスパイスとマトンのカレーの上に、半茹でのお米を何回かに分けて重ね入れるスタイルだが、カレーから出る水分を考え「下は硬め、上は柔らかめのお米」と調整。
全体の炊きムラがなくなり、蒸気でスパイスの香りも米全体にふわっと広がるという。
新名部員:「噛むとモチっと弾力がある。お米自体もスパイシーだけどマトンと一緒に食べるとスパイシーさが増す」
さらに、新しい“アレンジ”ビリヤニも。
スパイス料理研究家・印度カリー子さん:「現地の食べ方を取り入れつつ、“日本の食材”をうまくビリヤニに生かしている」
3月に東京・文京区にオープンした『パラダイスアレー』の名物は、「サバのビリヤニ」(1300円※ランチ価格)。
山盛りのビリヤニを、銀の平らな大皿に“ひっくり返し”て食べるスタイルで、これは南インド・サラセリーの伝統的な食べ方だという。
ひっくり返すと、ちょうどご飯の上にのっかる形になるのが、サバのカレー。
新名部員:「おいしい!サバが入ることで親しみやすい味に変わる気がする。日本人が食べやすいビリヤニな感じがします」
スパイスも具材も、作り方も食べ方もそれぞれ。
その店独自の味が楽しめるビリヤニの人気が広がっている。
参照元:Yahoo!ニュース