芥川賞作家、李琴峰氏の性別暴露で提訴された女性市議が釈明「生来の女性を守ろうと…」

トランスジェンダーの人をイメージした画像

トランスジェンダー女性だとSNS上で暴露したとして台湾出身の芥川賞作家、李琴峰氏に提訴された甲府市議の村松裕美氏が産経新聞の取材に応じ、李氏について「レズビアンを公表されている一方、男性ではないかといった投稿がSNS上で散見され、生来の女性を守りたいという思いで発信した」と振り返った。

「他の人の(性別適合手術をしていないという)投稿を見て、決めつけて投稿してしまい、申し訳なかった」と述べた。

村松氏はトランス女性が抱える性別違和の悩みに理解を示した上で、トイレなど女性スペースを共有することなどに対しては、強い拒否感を示した。

村松氏は、昨年5月下旬、フェイスブック(FB)で李氏について「身体が男性で手術もしていない」「身体男性の女性でレズビアン、つまり恋愛はノーマル」と投稿した。

李氏の相談を受けた警察が村松氏に注意し、村松氏はこの投稿を削除した。

その直後、村松氏は「私が台湾まで行って真相を確かめたわけではなく投稿しました」「断定的な投稿をしたことに関しまして、謝罪いたします」とFBで釈明。

別のアカウントが李氏の性別変更前の写真とともに中国語で李氏に触れた投稿のスクリーンショットなどを添付した。

李氏は今月5日、東京都内で記者会見し、村松氏について「一方的に機微な個人情報をさらされた」として550万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことを明らかにした。

李氏側によると、李氏は平成25年の来日前に性別を女性に変更した経緯を隠して生活していたという。

村松氏は、産経新聞の取材に「訴状が届いていないので、李氏側の主張が分からない」と話した上で、スクリーンショットを添付した理由について「既に(李氏の性別を巡る)投稿が拡散されており、こうした投稿に対して、自分のように『決めつけてはいけない』と啓発する意味を込めて、添付した。配慮不足だった」と述べ、一連の添付について悪意はなかったと説明した。

村松氏を巡っては提訴されたと報じられて以降、SNS上で自宅画像や家族情報が流され、危害を予告する投稿も確認されている。

また、村松氏は近く、性観念が未熟な子供に対し過度な性教育を施す「包括的性教育」を巡る懸念を盛り込んだ地方議員連盟による要望書を文部科学省などに提出する予定だったが、提訴を受けて見送った。

李氏は令和3年、「彼岸花が咲く島」で芥川賞を受賞している。

参照元:Yahoo!ニュース