「中に職人?」全自動iPhoneフィルム貼り機出現 風呂場いらず

やっと手にした最新モデルのスマートフォン。
ピカピカのボディーを見ると「大事に扱わなきゃ」との思いを新たにする。
だけど、アレを思い出すと憂鬱になる。
スマホの保護フィルム、うまく貼れますか?
一説には、ホコリが入らないように「風呂場で全裸でやるのがいい」ともささやかれる。
だが、米アップル社のスマホiPhone(アイフォーン)へのフィルム貼り付けを、全自動でやってくれる自動販売機があるらしい。
4日にX(ツイッター)で本体の写真が投稿されて拡散し「自販機の中に職人がいるのでは」などと話題を呼んだ。
一体どんな自販機なのだろうか。
「【衝撃】iPhoneをぶち込んで2分待つだけで全自動で保護フィルムを貼ってくれる自販機、現る」
そんな投稿をしたのは、「自動販売機マニア」こと石田健三郎さん。
日ごろから各地のユニークな自販機を交流サイト(SNS)で紹介し、Xでは3万人超のフォロワーを擁するインフルエンサーだ。
石田さんがこの自販機「フィルラボ」を知ったのは東京・新宿だったといい、「別の自販機を探しに新宿に足を運ぶ最中に、たまたま発見しました」と話す。
フィルラボを目にした時、「ついにここまで来たか」と驚いたという。
「これまでたくさんの自動販売機を見てきましたが、形ある商品ではなく『保護フィルムを貼る』というサービスを提供する形式は非常にレアケースです。スマホの清掃と保護フィルム本体および貼り付け代が込み込みで2980円というのは、非常にお得だと感じました」
投稿は瞬く間に広がり、9日現在で1300万回以上閲覧されている。
コメント欄には、自販機内で職人らしき人が貼り付け作業をしているイメージ画像や、「実際にやってみた」という動画などが次々投稿されている。
投稿への反響の大きさに石田さんは「みんな保護フィルムの貼り付けにそんなに苦戦していたのか!というのが率直な感想です」。
また、「貼るのが苦手なので助かる」「うちの地元にも置いてほしい」との声も多く寄せられており、石田さんは「革新的なサービス機器であるため、個人的にはさらなる拡大を望んでいます」と語った。
フィルラボの運営会社で、通信や小売りを手がける「グローバルコネクション」(本社・埼玉県和光市)の川村祐貴・国内営業本部長(38)によると、東京・新宿マルイ本館をはじめ関東を中心に、各地の商業施設11カ所に設置されている。
自販機本体は幅1メートル、奥行き0.92メートル、高さ1.75メートルと、確かに「職人」が入ることもできそうな大きさだ。
中に何が入っているのか。
川村さんによると、スペースの半分ほどはフィルムを貼るための機械、もう半分は最大3840枚入るというフィルムの在庫用だ。
フィルラボはアイフォーンのみに対応(一部機種を除く)。
反射防止やのぞき見防止など3種類のフィルムを選択でき、2480~2980円で貼り付け作業をしてくれる。
支払いはキャッシュレス決済のみだ。
本体正面にあるモニターを操作して機種やフィルムを選択して決済し、カバーなど付属品を外した状態で挿入口のトレーに置く。
すると機内で画面をクリーニングし、搭載された人工知能(AI)でスマホの位置を調整のうえ固定し、フィルムを貼り付ける。
着信などによる振動を防ぐため、電源ボタンが長押しされた状態にされるという。
記者も実際に体験してみた。
画面の操作はごく簡単だった。
スマホを挿入口に置くと、機器内でホコリを飛ばすための風がスマホに当たり、そのまま中に取り込まれていった。
2分ほどで戻ってきたスマホの画面から、貼られていたシールをはがすと、画面はピカピカで、一見してフィルムが貼ってあるのかどうか分からないほどだった。
新宿に設置されているフィルラボを使用したという東京都内の男性会社員(43)は「楽で良いです。フィルムが長持ちすれば、今後も使いたい」と話していた。
川村さんによると、機器は中国のメーカーが開発し、台湾やオーストラリア、欧州の一部でも既に設置されているという。
メーカー側から商品の紹介があり、「フィルムを貼ることの難しさや煩わしさをクリアでき、アップル社製スマホが人気の日本では需要が見込める」と判断した。
デザインなどを日本向けに作り直し、昨年12月にさいたま市内で初めて設置して以降、徐々に設置台数を増やしてきた。
SNSで話題になったことで、直後には新宿での利用数はそれまでの7倍に増加した。
新たな設置についての問い合わせや、個人から設置を求める声も届いているという。
7月には設置が20カ所ほどに増える見込みだ。
川村さんは「ニッチな需要かもしれないが、手軽さや質の良さは使ってもらえると分かるはず。ぜひ一回試してみてほしい」と語った。
グローバルコネクションは6月から、アイフォーン用のオリジナルケースを作製できる自販機の提供も開始した。
画像をアップロードすると、3分で画像が印刷されたオリジナルケースを作ってくれるという。
Z世代やファミリー層、インバウンドの需要を見込んでいるといい、川村さんは「自分でケースをつくる面白さを感じてもらいたい」と、二匹目のドジョウを狙う。
参照元:Yahoo!ニュース