日曜昼下がりのコンビニで「人が燃えている」全身をやけど 発電機が車の荷台から落下し引火か 相次ぐ“自家発電機”の事故に警鐘

日曜日の昼下がりのコンビニエンスストアの駐車場で、女性が全身を炎に包まれ、夫が店内に助けを求めて駆け込むという衝撃的な出来事が起きた。
女性は全身にやけどを負い、意識不明の重体だが、出火の原因とみられるのは車に積んでいた“自家発電機”だった―。
現場は、大阪府東大阪市のコンビニエンスストアの駐車場。6月1日午後3時すぎ、「人が燃えている」と通行人から通報があった。
警察によると、市内に住む40代の夫婦がワンボックスカーで来店し、駐車場で車に積まれていた自家発電機が落下。
その直後に火が噴き出し、近くにいた妻の衣服に燃え移った。
夫が店員に助けを求め、店の入り口にあったポットの水をかけても火は消えず、妻は全身を炎に包まれた状態で走って店のバックヤードに駆け込み、店員が水をかけて消火。
妻は全身にやけどを負い、病院に搬送されたが現在も意識不明の重体で、夫も腕などにやけどを負った。
防犯カメラの映像では、出火の約30分前から夫婦が車を乗ったり降りたりし、けんかをしている様子が確認されたというが、仕事のため荷台に積まれていた発電機が何かのはずみで地面に落ち、ガソリンが漏れ出して引火したとみられている。
捜査幹部の一人は、「生きているのがびっくりするくらい」だと明かす。
この5日前にも、大阪府堺市の工事現場で“自家発電機”が関係するとみられる事故が発生した。
5月27日、堺市南区赤坂台にある一軒家の工事現場で、「作業員3人が倒れ、意識がない」と119番通報が入った。
3人のうち50代の男性1人が意識がない状態で、20代の男性2人も意識がもうろうとするなどの症状を訴え、病院に搬送された。3人はアスベストの除去作業中で、屋内で自家発電機が使用されていた。
警察によると、現場の換気が十分ではなく、3人は発生した一酸化炭素を吸い込んで中毒になった可能性があるという。
自家発電機は災害時やアウトドア、電気が通っていない工事現場など、さまざまシーンで利便性が高い反面、使い方を誤れば命に関わる“凶器”にもなりうる。
密室や風通しの悪い場所での使用は厳禁で、損傷した製品を使用したり、可燃物に接触していたりすることで、発火する可能性もある。
また、燃料の燃焼によって発生する一酸化炭素は無色・無臭のため、気づかないうちに中毒症状を引き起こす危険性がある。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、発電機を安全に使用するために次の点を注意喚起している。
①屋内や車庫などの換気の悪い場所では絶対に使わない
②使用中は必ず定期的に換気を行う
③運転中や熱いうちの給油は絶対に避ける
④可燃物の近くでは使わない
⑤定期的に製品の点検・整備を行う
いま一度、手元にある発電機の取り扱いを見直し、安全確認を怠らないことが重要だ。
参照元:Yahoo!ニュース