70歳で退職後に77城120枚 なぜそれほどまでに城を描く?

70歳で退職後、全国の城を巡り巡って10年間で描いたのは77城120枚。
城に心を奪われ、けんしょう炎になりながら、描きに描いた名城画の作品集を福岡県内の男性が出版した。
なぜそれほどまでに城を描くのか。
日本の城絵暦原画集と城巡りの楽しみ方」(梓書院)で、著者は同県糸島市の綾部進さん(79)。
広告代理店を退職した2015年から全国各地の城を訪れては、季節と共に移りゆく城の情景を水彩色鉛筆などで描いてきた。
月々の城をカレンダーにした「日本の城絵暦」を毎年出すようになり、集大成として10年分の120枚を一冊にまとめた。
元々、時代小説が好きだった。
若い頃の過労や暴飲暴食がたたって60歳で心臓病を患い、医者からは「歩きなさい」と言われた。
「せっかくなら時代小説の舞台を見てみよう」と城を巡ることにした。
70歳で新聞社の絵画のカルチャースクールに通い始めた。
静物画はうまく描けなかったが、好きな城の絵を描き始めると、その魅力にのめり込んだ。
巡った城は山城を含めて677カ所。
魅力はどこにあるのか。綾部さんは「城には歴史があり、武士の夢とロマンがある」と語る。当初は天守閣に登るだけで満足していた。
しかし内堀や中堀、外堀、三の丸、二の丸、本丸など城郭全体を歩くにしたがって、その構造や建物などが時代背景や歴史の流れと深く関わっていることに気づいた。
79歳になっても繰り返す一人旅を家族は心配はしているが、一人旅を止められはしないという。
「行ける城は全国に2000ほどもあり、未知の城もまだまだある。人生100年と言われる時代、まだまだ描きたい」。
80歳を目前にしながら意欲はいっそう高まる。
参照元:Yahoo!ニュース